妖狐伝説が残された地に、いまも噴出しているもの - 栃木県那須郡 殺生石、常陸太田市 大中神社
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曇天 時々晴れという天気だった。なんとなくドライブに出かけ、ほとんど無目的に走行しているうちに、栃木県那須郡の殺生石まで行ってしまった。
火山性ガスが噴出する殺生石周辺を歩き、帰路には常陸太田市の大中神社に立ち寄り、その周辺を歩いた。
一緒に連れて行ったレンズは、ややドロッとした描写をする。ローコントラスト環境下で使えば、油彩画風な独特の重たい絵を描いてくれるだろう。
殺生石は”九尾の狐”伝説で知られている。
殺生石は2022年に割れてしまったのだが、割れ方が奇妙だ。2枚目の写真がそうなのだが、画面のほぼ中央に本来の殺生石があり、画面左端の下の方、注連縄でつながれた岩が割れた片側だ。
なにが奇妙かというと、まるで弾き飛ばされたかのように、やや離れた位置にあるのだ。
普通に割れたのなら、割れた場所に転がっているものだろうと思うのだが、どういう割れ方をすればこのようになるのか、よくわからない。
殺生石伝説は、玉藻前という希代の美女を、鳥羽上皇が寵愛したことから始まる。
しかし陰陽師が、玉藻前が”九尾の狐”であることを見破った。
逃げる九尾の狐をこの地まで追って討伐したのだが、九尾の狐は殺生石となって有毒ガスを放つようになった、とされるのが殺生石伝説だ。
ふと、玄宗皇帝と楊貴妃を思い出してしまう。
あるいは、鳥羽上皇が玉藻前を寵愛するあまり政務をおろそかにしたか、あるいは政務を歪めたので、玉藻前を妖狐とすることによって排除したのではないかという気もするのだ。
それなら玉藻前も楊貴妃も、同じ理由によって非業の終焉を遂げたことになる。
要するに、”勝手な都合”によって決められてしまった運命の結果と言える。
だがなににしても、殺生石の割れ方が不自然に見えることに変わりはないのだ。
”殺生石”は広く存在する。その背景についてはWikipediaに詳しい。
那須:殺生石周辺
帰路:常陸太田市 大中神社周辺