まったく異なるエリアを結んでいる坂道と階段 - 常陸太田市 鯨ヶ丘、馬場八幡宮

 

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C.C Auto Petri 1:3.8 f=135mm (PETRI)

 

 

常陸太田の旧市街、通称”鯨ヶ丘”と馬場八幡宮をめぐった。快晴だ、光と影のコントラストが途轍もなく高い。

 

鯨ヶ丘は高台にある。平安時代末期、ここに城塞が築かれたことから町として発展した。

しかしここ半世紀、市街化は低地側で急速に進み、高台にあって面積が限られている鯨ヶ丘は、発展から取り残されてしまった。

いまではその歴史を目玉とした町おこしが進んでいる。表通りには、しゃれた店も営業している。

 

鯨ヶ丘と低地を結ぶ坂道や階段があちこちにある。車道として幹線道路となっている道もあれば、徒歩でしか移動できないような狭い坂道もある。階段ならもちろんのことだ。

路地を歩いていると、ふいにそんな狭い坂道や階段に出ることがある。

そんなとき、それがまるで隠されていたものであるかのように錯覚してしまう。

 

高台と低地はまったく異なる歴史を歩んできた。坂道や階段は、ある意味、「異なる世界と言えるエリア」を結んでいるのだ。

それらの中には、きわめて古い歴史を持つ坂道や階段もあるのだろう。

 

鯨ヶ丘の北斜面側を特によく歩く。北斜面側は傾斜が急峻だからなのか、人が離れてしまって放棄された家も目立つ。

荒れ始めた家は、ある日突然消えてしまいそうだ。そうなってしまう前に、少しでもその姿を残しておきたいのだ。