木々の葉に遮られた先に広がる、あらたな生態系の拡大 - 高萩市 花貫渓谷、花貫ダム

 

使用レンズのご紹介リンク

NIKKOR-H Auto 1:4.5 f=300mm (NIKON)

 

 

山中の渓谷にでも行こうかと、高萩市の花貫渓谷と花貫ダム周辺をめぐった。

天気は快晴。光のコントラストはきわめて高いものになる。それをこのレンズの「8°」という画角で切り取っていくのだ。

 

木の葉の隙間から垣間見える水辺に、”川鵜(かわう)”の姿があった。

海鵜(うみう)なら長良川の鵜飼いなどでよく知られているが、姿形がよく似ている川鵜はそれほど知られていないと思う。

なぜいまになって生息域が拡大しているのか、よくわからない。環境保護が行き届いてきたからなのだろうか。

 

川鵜は”害鳥”であるという指摘もあるらしい。理由は魚を食べるからだ。

しかし川鵜が入り込んできた場所の漁獲データを見ると、「これまでと変わらない」が最も多く、「減った」もあれば「増えた」もある。

 

川鵜はいわゆる侵略的外来魚の類もまた、区別なく捕食するだろう。

それなら侵略的外来魚の数が増えれば、捕食される数も増えることになる。それで全体のバランスは保たれるだろう。それが”理”だ。

 

ダムができて付近の生態系は一度崩壊した。しかしそこに新たな生態系が成り立ち、拡大してゆく。

ハイコントラストな光と影の中、踏み込めばどこにでも垣間見えるものがあるのだ。