里山に連なる水路に小橋は架かり、そこにある分岐の先へと - 常陸太田市 白羽、春友

 

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常陸太田市の里山をめぐった。例年この時期、常陸太田市の里山には蕎麦畑が白い花を咲かせ、ヒガンバナ、コスモスが咲き乱れる。

しかし今年は例年のようではなかった。夏の間、記録的な少雨だったからなのかもしれない。

 

里山を縫うように水路が走っている。張り巡らされた狭い道と水路は交錯し、そこに小さな橋が数多く存在する。

橋はしばしば分岐にもなっている。「遠くに見えるあの場所」という感覚もまた、橋の存在によって、より独特のものになっていると感じるのだ。

 

小さな橋を渡っていると、ふと既視感に捕らわれることがある。

「過去にどこかで、やはりこのような感覚を抱いたことがある」と感じることがあるのだ。

 

それがどこでのことだったのか、すぐに思い当たることもあれば、なにも思い当たらないこともある。

思い当たらない場合、それでもなお、それが内なるものとして自分の中にあり続けているのかと思うと、なにか不思議だ。

 

気温が高いこともあり、人の姿をほとんど見ない。しかしそれでも橋の多い里山のエリアには、人の気配や生活感というものが強く感じられる。

いまだ30℃を超える熱に酩酊しながら、いくつもの橋を渡ってゆくのだ。