境界は滲み、過ぎ行く季節のはざまにエルフたちは遊ぶ - 日立市 小木津山自然公園
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日立市の小木津山自然公園に行った。
今回は趣向を変えて、久しぶりにソフトフォーカスレンズを持ち出した。収差を利用したソフトフォーカスだから、ピントの甘さはアウトフォーカスとして出るのではなく、”滲み”として出る。
晴天だからコントラストが極端に高いのは分かっていた。
ハイコントラストな被写体を、ピントの良いレンズではなく、”滲み”によって描写がドロッとしたものになるレンズで撮影すれば、どうなのだろうかと思ったのだ。
そもそも小木津山自然公園は、明るく広々とした森の公園なのだが、”滲み”が境界を消し去っている。
ソフトフォーカスレンズならハイキー補正で美しく撮影できるものだが、ローキー補正ばかり使う。
市の観光課から「こんな雰囲気じゃないからね、ここは」と苦情が入りそうだ。
解放されたエルフたちが、あちこちでワーワー騒ぎ合っている。
「おい、きみたち、少しは静かにできないかな。蒸暑くてたまらんわ」
「ナウなヤングのくせに何か言ってるね」「そうだね、うるさいね」「うざいよね」
「・・・ちっ・・」
今日は立秋だ。今日から秋。しかし季節の境界もまた、”滲み”の中に定かではないのだ。