洞窟のある断崖に沿った、万葉の名を冠する山道 - 高萩市 高戸海岸、かんしゃ神社

 

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久しぶりに海に行こうかと、高萩市の高戸海岸および断崖上にある「万葉の道」、断崖に沿う”かんしゃ(琯沚)神社”周辺をめぐった。

 
断崖が凄い。断崖には長年わからなかった謎の洞窟が複数ある。
たまたま散歩をしていた地元のご老人に「いい写真、撮れた?」と話しかけられ、そこで話を始めて謎が一気に氷解することになった。
 
江戸時代には高戸海岸は港であり、この地域の年貢米を積み出しする目的にも使われていたそうだ。謎の洞窟は、船積みする米俵を一時保管するためのバッファーのような役割を持つものだった。
 
大きな洞窟が米俵の保管用、周辺の岩に小さな穴が開いており、それらは船をつないでおくために丸太を打ち込んだ跡なのだそうだ。
 
水戸光圀の時代に港として整備されたというから、350年ほど前に掘られたことになるが、鑿跡はいまだに残っている。
手掘りの穴は日立市北部のヒカリモ公園にも点在するが、そこには仏像が置かれていたと言われているから、目的は異なっているのだ。
 
もっとも、ご老人にヒカリモ公園の話をすると、昔、高戸の港では船出の前にお坊さんが安全祈願を行い、祠が置かれている穴もあるから、宗教的なものとまったく無縁とは言えないのだろう。