国境があったエリアは、冬風の祭りの中に - 北茨城市 大津港、いわき市 勿来の関
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お正月には、よほど遠方に行っている船でない限り、ほとんどの船は港に停泊する。
それならと、北茨城市の大津港に行った。
海という巨大な異界を前に、多くの船が新年の祭りの雰囲気をまとって、安らいでいる姿がなんとも楽しい。
風が強く、猛烈に寒い。港で釣人はたった一人しか見かけなかった。
彼は「湾内での釣り禁止」の看板の横で、のんびりと釣り糸を垂れてくつろいでいた。
どうせここまで来たならと、勿来の関跡まで足を延ばした。
こちらは福島県だが、それぞれが県境を挟むように位置しているから、10分そこそこで移動できるのだ。
かつて、このあたりは国境エリアだった。和歌で「勿来(なこそ=くるなかれ)」はたびたび扱われた。具体的には紀貫之、小野小町、和泉式部、源義家など多士済々なのだ。
そのためか「文字列」をあちこちで目にする。勿来の関跡には、ともかく文字が多いのだ。
風が強く、途轍もなく寒い日に、あちこちで見かける文字列というものが、なにか不思議なものであるかのように感じられるのだ。