渓流に沿って多様な線分が混在するエリアのデフォルメ - 福島県 矢祭渓谷
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フルフレームでの焦点距離12mmという、あり得ないレベルの超広角レンズを、都市風景の撮影で使ってみたのだが、なんとなく気が済まない。
で、今回は森の中での撮影に使ってみようと思った。
都市風景は縦横の線が明快だから、パースペクティブの極端なデフォルメによる効果がはっきり出やすい。
しかし森は、構成する線分に直線がほとんど存在せず混沌としたものだから、デフォルメの影響をあまり受けない。
なんとなくだが、直線成分によって構成されたものには明晰さを、曲線成分の混沌には情念的なものを感じる。
それなら、その両者がデフォルメされて混在する場所においては、どんな絵が拾えるのだろう。
ということで、矢祭渓谷に行くことにした。
久慈川に沿った矢祭渓谷には、鬼のように硬い火山性の岩塊が大規模に露出している。
渓谷の奥に”夢想滝”という滝があり、その横には不動明王の祠が置かれている。
矢祭の地に関わる人物には弘法大師、源義家、西行、水戸光圀などがいる。平安時代から知られていた独特の場所なのだ。