海底にある岩礁のエッジが見える日 - 北茨城市 五浦、福島県 勿来の関
使用レンズのご紹介リンク
北茨城市の五浦と、県境を越えた福島県側の勿来の関をめぐった。
満月は過ぎたが、まだここ数日間は潮が大きく引く。普段は見えない五浦海岸の海底が姿を表すのだ。
波がいつも衝突する高さにある岩は、長年にわたって浸食され、すっかり丸くなっている。「あの人もすっかり丸くなったねえ、昔はねえ、本当に・・」などと表現されるアレだ。
かどうかは、わからないが、海底にある岩は波の浸食をいつも受けているわけではないから、気合が入ったエッジを残す姿を見せてくれる。そんじょそこらの年寄り臭い丸い岩とは育ちが違うのだ。
とか言ったりするが、それらの岩は握りこぶし大の石をコンクリートで固めたような独特の形をしている。
それもまた浸食による形なのであり、この先も丸くなることはないのだろう。
五浦には岡倉天心の、墓標のない墓がある。そのすぐ近くには天心が溺愛した娘、高麗子とその夫の、やはり墓標のない同じ形の墓がある。
五浦に来ると、いつもその二つのお墓に立ち寄ってしまうのだ。
そうして、県境を越えた近隣にある勿来の関にも立ち寄る。
「ここに来るなかれ」。勿来の関には源氏の棟梁である源義家の銅像がある。刃物であるかのようなエッジが彼の人生を貫いていたのだが。
Toscanini "JUPITER" W.A.Mozart Symphony No.41 K.551 (4th Mvt) - [Vinyl record]