波の中にある岩礁が姿を表す日 - 北茨城市 五浦、福島県 勿来の関
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今日は昼ごろに最も潮が引く。ここ数日間は特に潮が引くのだ。
普段見えない岩礁が顔を出すから、海に行くしかないと思ったのだが、どこにするのかを選ぶのに、頭を抱えてしまう羽目になる。候補があまりにも多いからだ。
で、北茨城市の五浦海岸に行くことにした。五浦は明治時代、岡倉天心が気に入って居宅を構えた場所だ。彼は日本美術院の絵画部門もまた五浦に移した。
普段は見えない岩礁を見ていると、日本美術院に集まった横山大観など明治画壇の巨人たちも、そんな岩礁を見ていたのだろうと思うのだ。
五浦は茨城県の北端にあり、県境を越えると福島県側に勿来の関がある。
「勿来(=来るなかれ)」は多くの歌人が和歌に詠み込んだ。小野小町、和泉式部、源義家など多士済々だ。
「来るなかれ」には、壁が想起される。それが彼らの思いに触れたのだろうか。
しかし引き潮によって、壁が開かれるのだ。あえて重たいレンズをカメラに付けて、そんなエリアを歩きたくなるではないか。