海を見つめる、対にある神社の春 - 大洗町 大洗磯前神社 および周辺
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風が猛烈に強く、海が荒れている。そこで海に面した神社に行こうかと思った。大洗にある大洗磯前(おおあらいいそさき)神社だ。
この神社は前回の写真記事での、酒列磯前(さかつらいそさき)神社とは対の関係にある。
大洗磯前神社の祭神、大己貴命(=大国主命)は、酒列磯前神社の祭神、少彦名命とともに国造りを行ったとされているのだ。
この二つの神社は直線距離で8km程度離れている。よくわからないのだが、まったく別の場所にある神社が対になって、二つで一つという関連を持つのは普通のことなのだろうか。なんとも不思議だ。
あるいは次のように考えると、わかりやすいのだろうか。
酒列(さかつら)という呼び名は、坂が連なるという地形的特徴が転じたものと考えられ、大洗(おおあらい)は海岸の岩礁の姿を表すだろう。
いずれもが「同じ磯前神社」なのであり、酒列と大洗という地形的な特徴で呼び方を区別しただけなのだ。
いや、勝手な空想だ。
茨城県北部には、やはり対の関係にある神社として、東金砂神社と西金砂神社があるが、それらもまた距離が離れている。
海や山は人にとっては巨大な異界と言える。もし神社を結界と考えるなら、あまりにも巨大な異界に対して、点ではなく線で結界を張る必要があったのか、などと思ったりもする。
神話レベルでの国造りとは、異界に対して結界を張るということだからだ。そうして結界の中に人はある。
二つで一つの不思議。いや、浅学だからこそ思い浮かぶような不思議なのだが。