市街地の午後、異界は身近のどこにでも広がっている - 日立市街
今回、久しぶりに魚眼レンズを使った。昔、あのニコンが出して話題を呼んだ「面白レンズ工房」中の、「ぎょぎょっと20」だ。
レンズ名からして気合が入っているが、「身の回りにある異界」探訪に向いているレンズと言える。
魚眼レンズでの視界では直線は円状(球状?)となり、直線自体は特定の条件下でしか出現しない。
さらに、撮影画角がとんでもなく広いから、一般的には雲の定点観測など特殊用途で使われることがほとんどなのだが、そんなレンズで拾える絵も多いだろうと思うのだ。
通常、対角魚眼レンズの焦点距離はフルサイズの場合16mm程度であり、このレンズのように20mmというのは、超広角ではあるにしてもややぬるい。
しかしそれでも魚眼レンズだ。このレンズを付けてファインダーを覗くと、万華鏡でも見ているかのような異界が出現する。しかもF8固定のパンフォーカスだからバリバリだ。
このレンズを使うと、アリスがめぐった不思議の国に迷い込んでしまったような気がしてしまう。
それなら日本全国に五千万人はいるであろう異界ハンターにとって、魚眼レンズが必須アイテムとなることに疑いはない。
いや、アリスだから異界も不思議な魅力に満たされるのであり、ナウなヤングが迷い込んだところで、「だからどうした」レベルのことなのだが。
なお、末尾に置いた写真閲覧用のBGMはポール・モーリアだ。不思議なのだが、こういう写真によく似合っていると感じるのだ。
LPレコードでポール・モーリア II ”涙のトッカータ” ”シバの女王” 他 全5曲
- Paul Mauriat "Toccata" "La reine de Saba" - VINYL