すすきの穂は秋の光の中に輝き - 常陸太田市 西山荘周辺
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すすきの穂もふくらみ始めた。すすきというと、覚えている光景がある。
昔々、バイクツーリング中でのこと。緩やかな下りのコーナーを抜けた先に、すすきの原野が一面にひろがっていた。
それは逆光線の中、ずっとかなたにまで光っていた。
速度が出ていたこともあるのだろう、光る不思議な海の中に、突入してゆくかのような錯覚に陥っていた。
走ることが主目的だったから撮影のために止まることもなく、そのまま通り過ぎた。
いまもときどきその光景を思い出す。しかしそのとき以降、同様の光景にめぐりあえたことはない。ただ記憶の中に残っているだけなのだ。
秋にはすすきもよく被写体として扱うのだが、あの光景を覚えていても、同じようなものを撮れたことは一度もない。
今回、すすきの撮影も念頭にあったのだが、もちろん撮れない。
撮影においては、いままで知らなかったような被写体を探すという考え方もあるのだろうが、すでに知っているはずの、しかし得られない被写体もあるということなのだ。