湧水によって成り立つ、人里離れた二つの湖 - 栃木県、奥日光 切込湖、刈込湖
 
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奥日光の山中にある切込湖、刈込湖は湧水を水源とし、水が出てゆく川はない。
閉ざされているかのような湖なのであり、この二つの湖は細い水路で結ばれている。
その独特の神秘性が静かな人気を集めているのだ。
 
もちろん、徒歩によってしかアクセスできないのだが、その途中の景観も独特だ。
尾瀬の場合もそうだったが、目的とする場所に向かう途中は、あくまでも通過するだけのものとなりかねないのだが、そこにもまた多様な景観が待っているのだ。
 
切込湖、刈込湖においては、火山岩と木々の姿が独特だ。
豪雪地帯だから、木々は歪み折れ曲がり、そんな状態のまま生育してゆく。そのため独特の姿形になっているものを数多く見かけた。
火山岩の上のわずかな土に張った根は、岩が硬すぎるから中に入り込めず、岩を覆うように成長してゆく。そうしてやがて、火山岩を飲み込むかのような形になって行く。
 
しかしそれでも、そのまま成長してゆけるかどうかはわからないのだ。
雪の重みと強風に負けたのだろう、根が火山岩を巻くような形のまま、岩から引き剥がされて倒壊している木も見かけた。
 
それらの中には、どこか人の姿に似たものすらあった。
もし大昔から近隣に人里でもあれば、どれほど多くの神話や伝説が生み出されただろうと思ってしまう。
神話や伝説は、人の空想だけで紡がれてゆくものなのだろうか。そうではない、神話や伝説の母体となるものを人が見ているからこそ成り立ってゆくと思うのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

I Vow To Thee My Country - Festival of Remembrance