季節の大循環の中で、置き換えられてゆくもの - 常陸太田市 西金砂神社および周辺
ひさしぶりに西金砂神社に行った。山深い断崖絶壁上にある神社だ。
西金砂神社は、境内を歩き始めた途端に凄いと感じさせる神社だ。「この一帯からエネルギーが噴出している」と感じさせる神社の内の一つなのだ。
長い階段の参道から少し横に入り込むと、その先は谷底だ。
自分は高所恐怖症ではないと確信している人が、それが錯覚だったという「あまり嬉しくもない気付き」?がある場所だとも言える。
断崖上に露出する岩は、握りこぶしぐらいの大きさの石が固まってできたものだ。ここからはそれほど遠くもない袋田の滝や龍神峡などの岩と同種と思え、火山性のものなのだろう。
長年におよぶ滝の水の落下によっても、そう簡単には浸食されないのだから、その硬さは半端ではない。
かつて源頼朝が佐竹氏を討伐するために、ここにまで攻め寄せてきたというのだから驚かされる。まあ、だからこそ覇者になったのだろうとは思うのだが。
この神社は揺るがぬ岩盤の上で、そんな歴史を見つめてきたのだ。
西金砂神社社務所の近くに、「ふるさと歴史民俗伝承館」という市営の施設があるのだが、そもそも人で賑わう場所ではなく、もう何年も前から閉鎖されていた。
ついに建物の取り壊しが始まっていた。これもまた、容易には浸食されない岩盤の上での、大循環の中にあることなのだ。
たまにしか行かず、しかし気になっていた場所に行ったら、ちょうど取り壊しが始まっていたということが、これまでにも複数回ある。
そんなとき、呼ばれたので行ったような感覚になるから不思議だ。
なおこの記事の写真は、前回アップロードした記事と同じ日に同じレンズで撮影したものだ。枚数が多くなりすぎたので、写真がだぶらないようにして記事を二つに分けた。