雨降る中の、断崖上の聖域 - 常陸太田市、西金砂神社
長いこと雨が降っている。まあ、雨とは言っても、それほどではなく、「曇り時々雨」的な雨だ。
外出するには問題ないだろう、多少降っている程度なら雰囲気もあるだろう。
などと思って、西金砂神社に行くことにした。
断崖上にある西金砂神社は、そもそもは西暦806年に天台宗の宝珠上人が開基した仏教の寺院だったとされているが、それよりも100年ほど前に、修験道の地として開かれていたとも言われている。
ともかく凄い場所にある。参道や本殿が高さ100mにおよぶ断崖絶壁に沿った場所に置かれているのだ。標高自体は低いものの、高さ100mは圧巻だ。
で、到着したら、曇り時々雨どころか、バーバー降っていた。「ま、またか」とか思いつつ、断崖に面する本殿への坂道を上り始めた。
本殿付近に露出する岩盤は、握りこぶしより大きい位の岩が固まって、巨大な岩盤となっている。
見た目がやや奇異に思えるが、直線距離で15kmほどの所に位置する袋田の滝周辺の火山性の岩盤に似ている。西金砂神社の岩盤も、同様に火山性のものなのだろう。
もう緑もすっかり深まっている。いつものことながら、西金砂神社の雰囲気は半端ない。
歩き始めたとたん、言葉抜きにただ「凄い」と感じてしまう。ともかく圧倒的だ。
1200年も前、この場所を見つけた人がここに堂宇を建てたことが、納得させられてしまうのだ。
帰路には常陸太田の旧市街を歩いた。坂道の多い街だ。
古い街だから蔵造りの建物も残っており、雰囲気もあるのだが、放棄されてしまった建物も目立つ。古い社も多いが、傷んでしまったものもある。
雨の日にはそれらが独特の雰囲気を醸し出すのだ。