水辺の花々は不動明王の童子たちを見つめ - 棚倉町 棚倉城址、山本不動

 

 

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桜はすでにすっかり終わったが、最後の行事が残っている。
それは花筏撮影だ。これで春のランドマークである桜撮影は完結するだろう。
で、例年恒例の棚倉城址に行くことにした。ここのお堀で、大規模ではないが花筏が見られるのだ。
 
もちろん、棚倉町は北方にあるから桜が散るのは遅くなる。これまでの経験では、おおむね一週間程度の差がある。
つまり花筏は、今頃がたけなわのはずだ。
過去データによって行動予定を決める。過去データが確信を導き出すからだ。
 
で、準備も怠りなく棚倉まで行ったのだが、大変な事態が待ち受けていた。
花筏はすでに終わっていた。ところどころに、わずかに残っているという状態だった。
「こいつぁ、一本取られたわ」とか思いつつ、行動予定における過去データは、「運」の支配下にあるということを痛感する羽目になってしまったのだ。
 
それなら他の被写体を探せばいいのだが、今回の撮影機材はタムロンの「31A」という200-500mm超望遠ズームレンズ +スリックの重量級一脚「ザ・プロポッド5」 +ベルボンの大型ボールヘッド「QHD-71」 +カメラ本体(with マウントアダプター、クイックシュー)だ。
 
ようはクッソ重いのだ。合計で5kg程度になる。この重量はただ運ぶだけならそうでもないのだが、片手に持って使用しながら歩く場合、それなりの負荷になる。なにしろ撮影というのは、指先作業だ。
 
そもそも撮影スタイルが、ひたすら延々と歩くことによって、さまざまな絵を拾って行くというやり方だから、軽快な機動性こそが結果に対してモノを言う。当然、機材はシンプルかつ軽量であることが望ましい。
 
だがこれも考え方一つだろう。
将来、爺さまになって、「はて、今日は朝飯、食うたかのぉ」などと言うようになったら、そんな機材を持って歩きまわるなど、おそらく無理だろう。
それができるのは、ナウなヤングである今のうちだけだ。それなら、やるべきだ。
いや、ナウなヤングなどという言葉を使っている時点でアレなのだが、ともかく前向きにやるという一択しかない。
 
めぐる範囲をさらに広げて被写体を探すことにした。それならと、山本不動尊にも行くことにした。
ここは超望遠レンズでの撮影には向いていないだろうと勝手に考え、今回、予定から外していたのだが、そもそも好きな場所だ。
不動明王の眷属である童子たちは、いまもうつむいているだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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