70年近くも前のレンズとめぐる風景 - 高萩市、常陸太田市
 
 
使用レンズのご紹介リンク (記事の後半)
 
 
前回、α7Rの設定をフルフレームからAPS-Cに切り替えた写真をアップロードしたが、同じ設定のまま今回は古いレンズで撮影した。
千代田光学精工(ミノルタの前身)から、1953年に発売された「ミノルタ-35 II」に搭載されていたLマウントレンズ、「スーパーロッコール50/2.8」だ。
 
最短撮影距離は3.3ftとあるから約1mであり、50mmレンズの最短撮影距離としてはかなり長い。しかし一般的な用途なら、記念撮影などがメインになるだろうから、1mでも大きな問題はなかったのだろう。
50mmレンズをAPS-Cに切り替えることによって、写り込む範囲はフルフレーム80mm相当になる。最短撮影距離が1mでも、これならまあいくらかは使いやすくなる。
 
ミノルタ-35は上のリンク先で書いたように、画面サイズが24×32mmであり、35mmフルフレームの24×36mmに比べて横幅が4mm短い。つまり、8枚撮影すると合計で32mm短くなり、1コマ「お得」になる。
いくらかはフィルムのランニングコストを抑えられるから、まだ日本が貧しかった時代の、庶民向けの知恵だったと言える。
 
もちろんイメージサークルも狭く設計されているから、それによってレンズの製造コストも抑えられるだろう。
このレンズにおいては、すべてのスペックがコスト低減の産物と思える。
貧しかった日本におけるカメラ普及のために、千代田光学精工が追及したぎりぎりのスペックだったのだと思う。
 
イメージサークルの狭さのために、フルフレームで撮影すると四隅がきっちりと蹴られてしまう。上のリンク先の写真は、絞り値にもよるがかなり盛大に蹴られている。
しかしフルフレームで四隅が蹴られるとは言っても、APS-Cモードにすれば蹴られないだろうから、そのうちモードを切り替えて撮影してみようと思っていた。
 
そう思ったのが五年前だったから、忘れていたようなものなのだが、今回なんとか実現するきっかけを見つけたということなのだ。
 
 
それにしても、レンズを替えると撮影する感覚がまったく違ったものになる。
とくに古いレンズの場合、そうだ。たとえ焦点距離が同じレンズであっても、それを感じるのだ。
古いレンズを使うと、このレンズは過去にどんな人によって、どんな絵を切り取ってきたのだろうと思う。もちろん知る由もないことなのだが、そんな思いがもたらす感覚なのだろうか。なんとも不思議だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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