ファットフォトVol.27(2005年5-6月号)付録のピンホールレンズ

 
 
ピンホール写真というものがある。薄板に小さな針穴をあけたものをレンズにして撮影した写真だ。
ガラスレンズは使わない。光を通すのは「小さな針穴だけ」なのだ。
 
よくこのような原理を発見したものだと思う。
あるいは、暗い小屋の中で、壁に節穴があればそこから入ってくる光によって、反対側の壁に外の風景が結像するのを見て、偶然に発見したものなのだろうか。
 
今回ご紹介するのは、ファットフォト誌Vol.27(2005年5-6月号)付録のピンホールレンズを、焦点距離約19mmの超広角レンズとして、Eマウント対応にしたものだ。
 
 
薄型のEマウントアダプターにピンホールレンズを取り付けた。もちろん、Eマウント用エクステンションチューブを付ければ、その厚みに応じて焦点距離が伸びてゆく。
 
前面に、「ジャンクフィルターからガラスを外した枠」、あるいは「ステップアップリング」を取り付ければ、レンズキャップやフィルターも取り付けられるようになる。
 
 
 
もちろん、ボケボケのピンボケ写真にしか見えない写真になるのだが、独特の雰囲気がユニークだ。
なんというか、貧血を起こして意識が抜ける瞬間の視界のような絵を感じるのだ。
 
ときどきピンホールレンズを使いたくなる。
「雑誌の付録ピンホールレンズ普及協会」の会員としては当然のことと言える。
いや、メンバーは一人だが。(^^;
 
 
かつてピンホール写真を撮るためには、カメラを三脚に乗せ、別付けのファインダーで構図を決めなければならなかった。
光が弱すぎて、オールマイティの一眼レフカメラでさえも、ファインダー像がほとんど見えなかったのだ。もちろん、数秒から数10秒という長時間露光が必要だった。
 
そのため、ピンホールカメラで手持ちスナップ撮影をするなど考えられなかった。
ミラーレスα7Sのような、ISO感度の実用域が10万を越えるカメラが登場するにいたって、ファインダー像を確認しながら、三脚無しで気軽なスナップ撮影が可能になったのだ。まったく驚くような話だ。
 
なお、このレンズは過去にご紹介していた。次のリンクの記事後半がそれだ。
 
あまり説明していなかったので、今回改めてご紹介することにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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