魔女と聖女 | 自由・変容・ロマン!女の人生をもっと楽しむ占星術&ヒーリング Liberty rainbow
本屋でパッと手に取ったものの、「読むか?今日はやめとくか?」何度もページをパラパラして迷ったあげくに買ってきました。
だって興味深いけど怖そうなんだもの。


「魔女と聖女」池上俊一著 ちくま学芸文庫

でも結果、読めて良かった。
自分のとらわれていたことの正体が分かり、これからについての示唆が得られました。



中世、魔女狩りの嵐が吹き荒れる時代に、聖女が崇められる風習が起こりました。
奇蹟を起こす、病を癒すなど行為は同じなのに、まるで真逆の目で見ている。
そして、これらは特別な者だけの話ではなく、当時の宗教観にたっての女性への扱いに端を発しているものなのですね。

アダムとイヴの神話から、女は男に劣るもので、しかも男を貶めた罪があるものであるという見解のもとに世界が成り立っていたわけです。
だから、女は男に仕える存在なのだと。

でも、男は女に心惹かれずにはいられない。
どの時代でも、男女がいれば恋に落ちるのは止められない。

そんな自然の摂理に対して、宗教が待ったをかけるのです。
「もう二度とイヴに惑わされてはならない。」
そんなふうに宗教の権威は当たり前のはずの心を禁じていたのでしょう。
だから抑圧すればするほど無理が生じて、「悪いのは俺じゃない、(魅力的な)女が悪いんだ。」となって、女性蔑視がエスカレートすることになった。

魔女狩りの時代到来。

すると、バランスを戻すかのように始まる聖女崇拝。

でも、これは市井に生きる女性たちが一生懸命生きてきた中で発生してきた新しい考え方、生の表現が試行錯誤しながら世に現れているものなのです。

声をあげて戦うやり方もあったし、女性同士の日々の営み、一緒に針仕事したりおしゃべりするなかから生まれる変化、つながりもありました。
女性の思想、行動が変われば、おのずと男性にも変化がじわりじわりと広がっていく。

現代において、女性の権利は拡大し、枠組みの中で守られてさえいれば、女性であることの不自由さは感じることがあまりない世の中になっています。
先人たちが生き抜いてきたおかげで享受できる環境です。
それでもまだ性差の罠はしつこく残っていますね。

この状況を長らえているのは、女性同士を分断することに成功しているからではないでしょうか。
結婚してるかしてないか、若いか年取ってるか、今では専業主婦か働いてるかなども対象になってて、女の敵は女という状態を作り出して一番得をするのは誰でしょう?

武井咲ちゃん主演のドラマ「エイジハラスメント」、若くて可愛いと男性にちやほやされ、そんなの嬉しくもないのに、計らずも女性の先輩を敵に回してしまう。
意見を言えば口ごたえしてると言われるし。
若いかそうでないか、どちらが優勢になるか、敵対するまでに至るのかは職場により違うだろうけれども、どこにでも「あるある」な話ですよね。
時代の流れからして、咲ちゃんが勝って終るようなドラマにはならないでしょうから、今後の展開が楽しみです。

アクエリアスの時代と言われています。
女性は女性同士つながることから始めていけば、やがて男女が本当の意味でお互いを認め合い助け合っていける世界へと変わっていけるのではないでしょうか。
女性同士が「○○を持っている持っていない」「できてるできてない」で争ってる場合じゃないのです。
その競争の裏にあるのって、男性の目を通して「選ばれる女であること」の延長線上にあるものじゃないですか?

今、女性の権利を主張することは、男性の大事なものを奪うことにはなっていかないと思われます。
なぜなら、愛する人と平和に暮らしたい、隣の人もそうあってほしいと願うのが女性性だと思うからです。
結局、男女は(男性性と女性性は)お互いを必要としているのだから。
女性と男性が逆転する世界はやってこないし、こさせちゃいけない。
それは単なる悪の歴史の繰返しです。
恐怖で支配してる側が一番恐怖におののいていたという時代はもう繰り返さない。

最後に、著者の池上俊一さんの文章からちょっとだけご紹介します。
男性である著者のこの意見、なんて素晴らしい方なのだと思わずにはいられませんでした。

「前近代のようなキリスト教の影響力が衰えても、哲学や社会科学、医学や心理学が宗教に取って代わった。その御墨付きを得て、雑誌・テレビ・映画などのメディアによって、こうした家庭の妻と母を褒め称える女性の召命論は、堂々と、大規模に普及させられる。」

「女性が男性に伍して知識をつみ、どうにかこうにか男性と同じレベルで同様な仕事をこなす。
それだけではつまらない。
もし彼女たちが自ら女性であることを忘れ、あるいは忘れようとして可能なかぎり男性にちかづき、さらに男性の視点を自らの視点として女性蔑視の立場にたつとしたら、ほんとうにつまらない。」


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