まにまに (3) | Rainbowのブログ

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 ぎん と たま は、川の土手を 背を低め、息をひそめ 駆け上っていく。そして、土手の上

に着くと、道を はうように走り抜けていった。向こうの川岸 奥の丘の上。チカチカ輝く光は遠

くて近い。夜もすっかり更け、家々の灯りはすでに暗く 眠りについていた。この時間だけが、昔

と変わらない静かな音が聞こえた。

 

 「ねえ、とうちゃん。もう着く?」


ぎん の うしろで たまが息を切らしながら たずねる。

 
 「あぁ、もうすぐだ。」

 
 「だけど、もう疲れちゃって走れないよ」


そういうと、たま の足がぽつり ぽつり と 止まる。

ぎん は 立ち止まり、振り向き たま を みつめた。

たまの元へ ぎん が ささっと 近づき、口で たまの 後ろ首をくわえた。たま は ずいぶ

ん大きくなったので、くわえられると、うしろ足が もう 地面すれすれだ。そして、ぎん は 

再び丘の上目指し走り始めた。




 それから、間もなく ぎん と たま は 丘の上 近くにやってきた。近づくほどに その 

光は黄金色の輝きを放っていた。そして、その光が 花火では ないことも わかった。流れ星の

ように丘の上の空を駆け巡っていた。光りを仰ぎ見ながら ぎん と たま。やがて、丘の上 に 
たどり着いた。丘の上にたどり着くと、空の光は すっかり消え失せていた。

 ぎん は たま を ゆっくりと 地面に降ろした。


 「ねえ、とうちゃん。何もなくなっちゃったね。」


 「そうだな・・・」

二匹はあたりを見渡した。

 
 「いえいえ、そんなことは ありませんよ」

 
二匹は驚いて、声が響くうしろを振り返る。

すると、シルクハットをかぶり、タキシードを身に着けた 大きなサルがニカッと笑いながら

二匹を見つめている。

ぎん が そぉっと たまを くわえ、サルをにらみつけ 後ずさりをする。。


 「おっと、そんな怖い顔をしないでくださいな。私は、あのテントの団長なんです。せっかく

  ここまで に おいでに なられた。どうぞ、見に来てくださいな。」

 
 サルは自分のうしろの暗闇を持っていたステッキで指す。二匹は暗闇の中を見つめる。

すると、そこには巨大なトンネルのような長いテントが浮かび上がった。



 「不思議サーカスにようこそ!!」

 
 サルの団長は キャッキャッと甲高い声をあげ、二匹においで おいで と手招きをした。



                            (つづく)