ホウキ屋おばあさん と いじわるな あり(4) | Rainbowのブログ

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 夜遅くになるにつれ、おばあさんの熱はますます高くなっていきました。

見ると、おばあさんの腕は、布団の上に投げ出されています。

ありは、おばあさんの手のひらから、指に向かって歩き始めました。

そして、指の先っちょで立ち止まります。

おばあさんは、目を閉じ、息を荒げたまま。指はピクリとも動きません。

 「かむなら今だ。かむには、とっておきの時間だ。」

ありは、自分の心に話しかけます。

 「そうだ。その通りだ。さあ ひと思いにかんじまえ!!」

心は、ありの背中をドーンドンと押し上げます。

ありは、大きくうなずき、ありは、ぎゅっと目をつぶります。

そして、おばあさんの指めがけてかみつきました。

 おばあさんの指は、ピクリと動きました。

 「そんな、強さじゃ ちっとも痛くないよ。私のホウキのせいで辛い思いしてきたんだろう。

  大丈夫だよ。さあ、遠慮しなくていいんだよ。」

おばあさんは、目を閉じたまま、ゆっくりと ありに語りかけました  

 ありは、恥ずかしくてたまらなり、ドアの隙間から外に飛び出しました。


 
 夜風はとても冷たく、ありの心を吹き飛ばしていくかのようでした。

巣から追い出されて、独りぼっちになった時と同じ気持ちになりました。

そして、思い出しました。

おばあさんは、今日 きこりに言ってくれたこと。


 「その子は私の家族なんだよ。」 


ありは、なんて ひどいことをしてしまったのか。

気づきました。

でも、もうおばあさんは 許してはくれないだろうと思うと、涙が止まりません。


 見上げると、空には たくさんの星たちが輝いています。

 「この星たちをばあさんのホウキで掃くと、たくさんの流れ星がは夜空を駆け巡るんだろう

 な。そしたら、ばあさんが早く良くなりますようにと叫ぶのにな・・・。ん・・・!!おもいつ

 いたぞ!!」

ありは、涙でぬれた顔をぬぐい、急いで家の中へと戻っていきました。

 
 ありは部屋の隅に積んである木の枝を一本背中に背負いました。

長いこと働かなかった あり にはとても重たく、すぐそこのドアまでがとてつもなく遠いみちの

りに感じます。だけど、一歩一歩と進むと、やがてドアのすき間をくぐり抜けて、外に出ることが

できました。外に枝を置くと、また部屋に戻り、また枝を背中に背負いました。

夜が明けるころには、玄関先にはたくさんの枝がちりばめられていました。

 ありが また 背中に枝を背負った時。

ドンドンとドアがたたかれました。

 「おばあさん。どうしましたか?」

いそいで ありは枝をおろし、積んである枝の中に身を隠しました。

 「ええ、具合が悪くて・・・」

おばあさんは、か細い声で答え、ゆっくり歩き、玄関のカギを開けました。

ドアを開くと、きこりが立っていました。

 「ああ、そうだと思いました。何かあったと心配しました。すぐに病院に行きましょ

 う。さあ、背中に乗って下さい。」

おあばあさんは、背中に乗り、玄関に出ました。すると、たくさんの枝が辺りに散らばっていまし

た。

 
 「これは・・・」


おばあさんは、見渡します。

 
 「おばあさんは、いつも枝をきれいに集めているのに、今日に限ってこんなに散らばっているの

 に おかしいと思って声をかけたんですよ。」

きこりの話を聴きながらおばあさんは何度もうなづきました。

 そして、部屋の中を振り向きます。

 「お前がやってくれたんだね。ありがとう。ひとりぼっちはさみしいだろう。一緒に

  行こう。」

おばあさんが、声をかけると、ありはゆっくりと枝の陰から出てきました。

 「さあ、おいで。」

きこりが笑うと、ありはおばあさんの肩の上に乗りました。





 今日は、きこりの娘がとおい町へお嫁に行く日です。

おばあさんの家に、娘はきこりとやってきました。

おばあさんが、娘にホウキを渡すと、娘はぎゅっとホウキを抱きしめました。

 「幸せをたくさん集めるんだよ。」

おばあさんが微笑むと、きこりと娘は礼を言って帰っていきました。

そして、おばあさんは椅子に腰かけると、机の上にいるありの前にも小さな小さなホウキを置いた

のです。

 ありは背中にひょいとホウキを乗せ、グルグル机の上を回ってみせました。


きっと、これからも たくさんの楽しいことや、素敵なことが あり を待っているでしょう。



だって・・・あの時、星空の下で あり が思いついたように・・・

 
完成させたおばあさんのホウキ。


星をかき集めると、たくさんの流れ星がうまれます。


「幸せになりますように!!」


おあばさんがホウキにまたがり、叫ぶのです。



おばあさんは 魔女なんですから・・・


             (おわり)