あかい やね の いえ の まえ。
キキッーっと おと を たてて、くるま が かえって きました。
いぬは、 つながれた ロープ を ピン と はらして、なんども しっぽ を ふり ジャン
プを しています。
くるま の なか で ねむった おんな の こ を おとうさん が だきかかえて いえ
に はいりました。。
おかあさん は、 かたて で くるま の ドア を しめます。
もういっぽう の て には、あおい ながぐつ を そろえて もっていました。
おかあさん は、いぬ に て を ふりました。
そして、 くちに ひとさし ゆび を あてて、”しーっ” と あいず を しました。
いぬは からだ を ふせます。
ふりつづける しっぽ は、じめん を はき、ほうき の ように つちぼこり を おどらせ
ました。
おかあさん が いえに はいると すぐ に、くさかげ から スス が すがた を あら
わしました。
そして、れんが の かべ に せなかを そわせながら、そろり そろり と いぬごや に
もどって きました。
「ただいま!!」
スス が わらうと、 いぬは ベロン と スス を ひとなめしました。
「やったじゃない。 みたわよ。 きれいな あおいろ ながぐつ。ああ、はやく いっしょ
に そと を あるきたいわあ・・・」
いぬ は とおく を みつめました。
「うん。 じきに じょうず に あるける ように なるさ!」
スス は いぬの おおきな まえあし に だきつきました。
ススが いつもの ように いぬ の おなか で ひるね を していると、
「いや!! えーん!! 」
いえ の なか から おんな の こ が なく こえ が ひびきわたりました。
スス は とび おきました。
そして、 こえ の する げんかん へ はしりました。
げんかん の ドア は ひらいて います。
スス は ドア に かくれながら のぞきました。
おとうさん が ドア の すぐ まえ に たって いました。
そのおく には おんな の こ が ひっくりかえって ないています。
あおい ながぐつ が あっち と こっち に たおれていました。
「どうしたのかな・・・」
スス が おどろいていると、おかあさん が おんな の こ の あたま を なでました。
そして、おとうさん が ながぐつ を そろえて おくと、おんな の こ は ひっく ひっ
くと なきながら、おきあがりました。
おんな の こ は、ながぐつ を はきます。
それぞれ の あし を はんたい の ながぐつ の なか へと おくりこみました。
つぎに たちあがり、あるきます。
よち・・・ よち・・・よ・・・ち・・・
あし が もつれて ころびそうな おんな の こ を、おとうさん が うけとめました。
「えーん!」
おんな の こ は また なきはじめました。
「やっぱり くつ を はんたい に はくと ころんでしまうんだよ。」
おとうさん は、おんな の こ を かかえあげ、おでこ と おでこ を くっつけ はなし
かけます。
「どうして、 はんたい ばかり はく のかしら・・・」
おかあさん は あしから ぬけおちた かたほう の ながぐつ を ひろいあげました。
すると、おんな の こ は、「ん!ん!」と て を だし、ながぐつ ちょうだい を
しました。
おかあさん が ながぐつ を わたすと 、おんな の こ は ながぐつ を ぎゅうと だ
きしめたのでした。
スス は いぬごや に もどると、いぬ に さっき あったこと こと を はなしまし
た。
いぬ は こや の うえ を みつめて かんがえました。
「まだ ちいさいから はんたい か どうか わからいのよ。はく とき に はんたい に
なるのかもしれないわね。 」
そういった あと、 きゅうに いぬの め が、 かがやきました。
「みぎ と ひだり の ながぐつ を はんたい に ならべて はかせたら?うん。そう
よ。きっと うまく いくわ。」
「うん。いい アイデアだ。 うまく いきそうだ!! 」
スス も うん うん と てんじょう を みつめ うなずきました。
つぎ の あさ はやく。
ねている いぬ から スス は そっと ぬけだしました。
そして、げんかん の すぐ よこに ある くさ に かくれました。
もうじき おとうさん が しごとに いく じかん です。
しばらくすると、げんかん の ドア が あき、おとうさん が でてきました。
そのあと から、おかあさん と、パジャマ すがた の おんな の こ が だっこ され
て でてきました。
ススは、ささっと げんかん に いれかわり はいりました。
はいると すぐに あおい ながぐつ が ありました。
スス は ながぐつに はしり よりました。そして、ながぐつ の ひとつ を せなか に
かつぎました。ながぐつ の かかと を ひきずり ながら、ずるずる すすみます。
「じゃあ いってくるよ。」
くるまが、 うごきだしました。
「いってらっしゃーい!!」
おかあさん の げんき な こえ が スス にも とどきました。
「よし、おわった!!」
スス は きょろきょろ と あたりを みわたしました。
そして、ながぐつ の よこ に ある おとうさん の くつ の なか に いそいで かく
れました。
トン トン と おかあさん の あしおと が ちかづきました。
そして、ドアが ひらく おと が しました。
ふぁあ と かぜ が げんかん に かけぬけて いきました。
バタン と ドア が しまると 、「ん!ん!」と おんな の こ の こえが きこえまし
た。
「ながぐつ が はきたいのね。」
おかあさん の こえ の あと から 「うん。」と こえ が しました。
スス が ちょっぴり かおを のぞかせると すぐ よこ に おんな の こ の あし が
ありました。
「よーし、はんたい がわ に ある ながぐつ に あし を いれるんだ・・・」
スス は みつめます。
だけど、 おんな の こ は 、ながぐつ が おかれている とおり に あし を いれま
した。
そして、たちあがり あるきはじめました。
「あれ、ながぐつ はんたい・・」
おかあさん が 気づいた とき に は あるきはじめていました。
いっぽ・・・にほ・・・さん・・・ぽ・・・
あしが からまり、ころんでしまいました。
「えーん!」
また、あし が からまり ないてしまいました。
おんな の こ を おかあさん は だきかかえました。
おんな の こ は、りょうほう の ながぐつ を ぬぎすてました。
おりたい と ゆび を さす ので おかあさん が おんな の こ を おろしました。
いえ の なか に よち よち あるいて いったかと 思うと、
じぶん の ちいさな リュックサック を もって きました。
そして、リュックサック の なか に ぎゅうぎゅう に ながぐつ を つめきんだの でし
た。
そして、いちにち リュックサック を せおい おんな の こ は すごしました。
そのよる。
いぬ は いつのまにか ねむって いました。
やがて、 いえ の でんき も きえました。
だけど、 スス は ねむれないで いました。
「なんで、ただしく はく の が きらい なのかな・・・」
スス は いぬ の おなか の うえ に よこたわり じぶん の あしを みつめました。
すると、ここに つれて きてくれた つばめ の ことば を ふと おもいだしました。
「よく みて みれば おもい こんで いる もの と ちがう こと が よく あるぞ。
よーく みつめるんだぞ。」
スス は、 じぶん の あし を みつめながら 、 つばめ の いって いた こと を
くりかえし いいました。
「もしかして・・ながぐつ を はんたい という こと は わかって いる の かも しれ
ないぞ。そして、はんたい に はくのが だいすきなんだ・・・」
(つづく)