「ほーら、 あさよ。 おねぼうさん。」
スス は、 まるまって よこたわる いぬの おなか のうえ で ねむっていました。
「うーん。まだねむたいのに・・・」
スス は め を こすりながら、ゆっくり おきあがりました。
あたり は すっかり あかるくなっていました。
「いそいで かくれて!!」
いぬが、ちいさな こえを あげます。
あわてて スス は いぬの おなか の け の なか に かくれました。
いぬごや の すぐ うえの カーテン が いきおいよく あきました。
そして、 ガラガラ と まど が あきます。
なか から おかあさん が かお を だしました。
「おはよう!!」
いぬは、 よこに なったまま しっぽ を ふります。
「あら、いつもは げんき で こっち に くるのに 。どこか いたい の?」
「わん わん!!」
しっぽを ふりながら、おおきく なきました。
「げんき で よかった。おなか が すいていてる の かしら?すぐ に もって いくわ
ね。」
そういう と まど から おかあさん は はなれて いきました。
「もう だいじょうぶよ。」
いぬは ささやきます。
スス は ひょっこり かお を け の なか から のぞかせました。
「びっくりした。 ばれたら おおさわぎだ。」
スス は じぶん の て を むね にあてます。
いちど おおきく いき を すって はきました。
そして、そーれ と じめん に むかって ジャンプ しました。
それから きのう の よると おなじように れんが の かべ を のぼります。
「なかなか やるじゃない。」
いぬは おすわりをして スス を みまもりました。
まど に たどりつきました。
カーテン に かくれて なかを のぞいて みます。
テーブル を かこんで、 おとうさん、おかあさん、そして おんな の こ が
あさごはん を たべていました。
すると、 おとうさんが テーブル の うえで ゆび を くみ おんな の こ を みつめ
ました。
そして、はなしを きりだしました。
「きのう へんな ゆめを みたんだよ。 この こ が くつ が ほしい と いうんだ
だ。」
おかあさん は くちが おおきく ひらき、め を まるく しました。
「わたし も きのう まったく おなじ ゆめを みたわ!! 」
ふたり は しばらく みつめ あいます。
そして、おんな の こ を みました。
おんな の こ は パンを おいしそう に ほうばっています。
おとうさん は コーヒー を ごくん と ひとくちのみました。
それを ゆっくり のど に おくり、 かんがえました。
「このこ は まだ おはなし が できない。でも、おなじ ゆめ を みるなんて ふしぎ
だ。どうだろう。すこし あるける よう に なったし、 きょうは くつ を かいに い
くのは どうかな。」
「ええ。そうしましょう。」
おかあさん も うなずき、 ごくん と コーヒーを のみます。
おんな の こ は からっぽ に なった おさら を もちあげ 、「おかわり」の あいず
をしました。
カーテン に かくれて はなしを きいていた スス。
うまく いった と、 かた を すくめて ほほえみ ます。
いぬ の ほう を ふりむくと、いぬ も しっぽを ふって 「ハア ハア ハア・・・」
と いき を あらげました。
「くつ を はいて あるける ように なったらさ。 いっしょに あるいて さんぽ でき
るんだわ。」
いぬ も おんなの こ が くつを はいて あるく ひ が たのしみに なってきまし
た。
しばらくすると、 いえ の まえ で くるま の エンジン が かかる おとが しま
す。
「おっと! おいていかれるぞ。」
スス は あわてて いぬごや から とびでて、くるま へ と はしります。
「いってらっしゃい。」
ごはん をたべた いぬ は うとうと しながら こえ を かけるのでした。
げんかん から ちょうど おかあさん と だっこ された おんな の こ が でてきまし
た。
スス は フワフワ ゆれる おかあさん の スカート の すそ に とびつきました。
おかあさん は、あかちゃん を うしろ の していせき に すわらせ 、 じょしゅせき
に すわります。
おかあさんは、ドア から でた スカート の すそ を やさしく すくいいれました。
そして、くるま ドア が バタリ と しめられると、すぐに しゅっぱつ しました。
おかあさん の あしもとに そとに ポケット がついた バッグ が おかれています。
スス は その ポケット に そーっと かくれました。
くるまが とまりました。
「さあ、ついたぞ。」
おとうさん の こえ が します。
まもなく、 バタン バタン と くるま の ドア が ひらく おとがしました。
スス が かくれている バッグ も もちあげられ、 おかあさん の かた に かけられま
した。
スス が ポケット から かお を だすと、 め の まえ に おんな の こ の あし
が みえました。おかあさん に だっこされて います。
「カラーン」
すずの おと が きこえると、つづいて 「いらっしゃいませ」と やさし
い おんな の てんいん さん の こえが きこえました。
「この こ の くつ を さがしているんです。」
おとうさんが いうと、てんいん さん は すばやく メジャー で おんな の こ の
あし を はかりました。
「こちらで ございます。」
てんいん さん は サササ と みせ の おく に あんないします。
「かわいい くつ が たくさん ございます。ごゆっくり ぞうぞ。」
そういうと、タタタ と みせさき に もどって いきました。
おかあさん は、くつを みわたしました。
「かわいらしい くつが たくさん ね。 まよっちゃうわ。」
おんな の こ を おとうさん が だっこして、おかあさんは いろんな くつを
みてまわります。
ススも ポケット から かお を だし 、め を かがやかせ ながら くつ を みつめま
す。
「これも、これも、うん これもいいわ!!」
ピンク いろ の くつ、 りぼん の ついたくつ、おはな もよう の くつ・・・
おかあさん は いろんな くつ を おんな の こ に はかせようと しました。
だけど、おんな の こ は、
「やーだ!!」
「ううん。」
「いやだ、 いやだ!!」
と くび を ふる ばかり で、 はきたがりません。
「こまったわねえ・・・」
「どれが いいんだい?」
おかあさん と おとうさんは こまって しまいました。
すると、おんな の こ が ゆび さしました。
「あーれ。あーれ!!」
ゆび を さすほうに おんな の こ を つれていくと、
みずいろ の ながぐつ が かたすみ に おかれていました。。
おんな の こ は ながぐつ を つかみあげました。
そして、おりたいと からだ を よじらせます。
おんな の こ は、おりると すぐに ズボ ズボ と ながぐつ に あしを いれました。
そして、よち よち と うれしそう に あるき はじめました。
「でも、ながぐつは・・・」
「いろも おとこのこ みたい・・・」
おとうさん と おかあさん が はなしていると、
いつのまにか さきほど の てんいん さん が うしろ に たっていました。
「すきなのが いちばんで ございます。」
と、おじぎ をしました。
「そうだな。」
「そうね。」
おとうさん と おかあさん は まあ いいか と わらいました。
スス は ポケット の なか で そっと パチパチ と て を たたきました。
(つづく)