いえ の まえ に ついた スス です。
「いえ の まわり は くさっぱら ばかり だな。 こども の あるく れんしゅう
に もってこいだな。」
そう いいながら、 いえの まわり を きょろ きょろ とみわたしました。
ポットン ポットン・・・
ススの からだ に みず が おちてきました。
「あれ、あめ が ふって きたかな。」
そらを みあげます。
だけど あおぞら の いい てんき。
「おかしいなあ・・・」
うでを くみ くび を ひねります。
「はっ はっ はっ・・・」
こえ が きこえる。
みぎ と ひだり そして じめん を みましたが、 なに も いません。
さいご に スス は おおきく のけぞり うしろ を みました。
「わあああ!!」
おどろいて、ススは そのまま うしろ に ひっくりかえって しまいました。
「い、い、いぬ・・・!!」
みみ の たれた け の ながい 。おおきな ちゃいろ の いぬ。
びっくり して うごけない スス を クンクン かいだり、はな で つんつん つつきま
す。
「わーん、 こわいよー」
スス は がちがち ふるえて きました。
め も あけてなんかいられません。
そんな スス を べろーん と あたま から あしさき まで ひとなめ しました。
「なーんだ。 あたらしい おもちゃ かと おもったのにさ。 むし じゃない。」
いぬ が つまんな そう な かお を しました。
「ぼく は てんし だ。 むし じゃ ないぞ。」
スス は め を とじた まま さけびます。
「てんし? そら の うえ の?」
「ああ そうさ」
スス は ゆっくり め をあけてみました。
そして、 いえを ゆっくり ちいさく ゆび さしました。
「ここの こども が じょうず に くつ を はけるように てつだい に きたのさ。」
「へえ、そうなの!!」
いぬ は しっぽ を パタパタ いきおい よく ふります。
「おもしろいじゃない。わたし この うち の いぬ なの。 しばらく わたし の
いぬごや に すむ と いいわ。」
いぬ は そういうと うしろ を むき、 ついて おいで と いいました。
いぬ は とちゅう まえあし を いえの かべ に おいて たちあがりました。
そして、 まど から いえ の なか を のぞきこみました。
「わたしの あたま の うえ に よじ のぼって ごらん。」
いぬ は、スス を よびます。
スス は うなずき、 いぬ に はしり よりました。
まずは、いぬ の しっぽ に スス は とびつき ました。
だけど、 いぬ は あんまりに も うれしそうに ぶんぶん と しっぽ を ふるもので
スス は ぶーん と ふりおとされて しまいました。
「いててて・・・よーし、 つぎ の さくせんだ!!」
おしり に ついた つち を パンパン と はたきます。
スス は いぬの うしろ あし から よいしょ よいしょ と ちから を いれて の
ぼります。
いぬの あしは まるで たかい たかい やま の よう。
そして、せなか を とおり、 いぬ の あたま へ と やっと たどりつきました。
「ふぅふぅ・・・。」
いきを きらしながら、 スス も いえの なか を のぞきます。
いえの なか では、おかあさん が りょうて を ひろげていました。
おかあさん は、にこにこ わらいながら 「おいで おいで」と いっています。
その さき には、ちいさな おんなの こ。
おかあさん に むかって よちよち あるいています。
「ねぇ、かわいい おんな の こ でしょう?すこしまえ に いっさい に なったの
よ。」
いぬ は ずっと しっぽ を ふって います。
いぬ が、おんな の こ を だいすき な こと。
スス にも なぜだか よく わかります。。
いえ の ちいさな うらにわ に いぬごや が ありました。
いぬ が すっぽり かくれる おおきな いぬごや。
きがつけば あたりは うすぐらく なり、 すぐに まっくら になりました。
いぬ は たちまち ぐーぐー と いびき を かいています。
「おやすみ も いわずに ねちゃった・・・」
スス は、 まるまって ねている いぬ の おなか に もぐりこみました。
オレンジ いろの でんき が ついた いえ の なか。
おとうさんと おかあさん、 そして おんな の こ のわらいごえ が きこえてきました。
こえ を ききながら スス も いつのまにか ねむって しまいました。
ススは、 ハッと め を さましました。
いえ を みると、 あかり は もう きえていました。
そら たかく まんまるな おつきさま が、 あたりを あかるく てらしだしていました。
ねいっている いぬ の おなか から そっと スス は ぬけでました。
いえを みあげると、すこしだけ あいている まどを みつけました。
スス は、まどに はしりよりました。
よいしょ よいしょ と れんが の かべ を よじのぼりました。
のぼりきると まどの すきま から そっと いえ の なかへ はいりました。
へや の なか には おんな の こ を はさんで、 おとうさん と おかあさん が
ねむっています。
スス は、カーテン を つたって するする と ベッド まで おりました。
ベッド に おりると、すぐちかくに おとうさんが ねむって いました。
スス は、おとうさん の みみもとに すわりこみ、しんこきゅう を いちど しました。
そして・・・
「おとうさん。わたし あるけるように なったわ。すてきな くつ が ほしいの!!」とは
しかけました。
「うーん。むにゃ むにゃ。 そうしよう。」
そういうと、おとうさんは どすん!! と スス の ほうに ねがえり を うちました。
「おっとと。つぶされる ところ だった。」
スス は いそいで にげました。
つづいて おかあさん の みみもと に むかいます。
そして、ささやく の です。
「おかあさん。わたし あるける ようになったでしょ。すてきな くつが ほしいの!!」
「うーん。むにゃ むにゃ。そうね そうしましょう。」
そういうと、おかあさん の て が スス に むかって のびてきました。
スス は、 なんとか て を すりぬけました。
(あぶなかった・・・でも、だいせいこうだ)
そして、スス は おんな の こ の かお の よこ に すわりました。
おんな の こ を スス は しばらく みつめます。
「ちいさい ぼく が、 きみには みえない かも しれないけど。ぼく も きみ の
そば に いるんだよ。」
ススが ささやくと、おんな の こ の かお が わらったように みえました。
スス は、ふたたび まど から そと に でました。
そして、あたたかい いぬ の おなかに もぐりこんで ねむりました。
(つづく)