ある町 はずれに、小さな森 が ありました。
その 森の中には、 小さな レンガ の 家が ポツリ。
おばあさんが ひとり で住んでいました。
おばあさんは、森の 木の枝 を 集め、ホウキを 作るのが 得意でした.
おばあさんが 作る ホウキ。
どんな もの も かきあつめて しまう。
町中の人 が おばあさん が 作る ホウキ を 愛していました。
ある 昼下がり。
おばあさん の ホウキ を 作る手 が 止まります。
やがて、おばあさんは、こくん こっくん と 眠って しまいました。
どれぐらい 時間が 過ぎたでしょう。
「おい、おい ばあさん 起きろ!!」
おばあさん は 声 に 気づき ゆっくり 目を 開きます。
おばあさん は 部屋 の 中 を ぐるっと 見わたしました。
「目の前。 目の前だよ。 そして、 もっと 下!!」
声のする方へ、おばあさんは顔を向けました。
すると、目の前の 机の上 に いじわるな あり が いました。
「私に いったい 何 の ようです。」
おばあさん は メガネ の すきま から あり を のぞきこみました。
あり は しょっかく を ぶんぶん ふります。
「ばあさん の ほうき で 家の中 を 掃かれて しまうと、 どんなに ふんばっても、
どこの 家 に 住み着いても 掃き出されちまう。だから、 おれは 住むところ が な
くなっちまった。だから おれ は 今日から ここに 住むぞ。」
「ええ、どうぞ。 ちょうど ひとり で さみしかったんですよ。」
おばあさん が 笑って うなずくと、 あり は しょっかく を ピーン と のばしま
した。
あり が お腹が空いたというと、おばあさん は パンのかけら を 机の上に置いてくれ
ました。
ムシムシと パンをほおばる あり の 前で、おばあさん は 机に向かい ホウキを作りま
す。
おばあさん の 曲がった腰は さらに 曲がり、しわしわの 手は 優しく 枝 を 包みま
す。
家の隅には、たくさんの 木の枝 たちが、おばあさんの 手に包まれる日を 待っています。
パンを食べ終えた いじわるな ありは、お腹を さすりながら おばあさんの手を見つめま
した。
そして、 ひとつ いいことを ひらめきました。
おばあさん の 手にかみつき、痛くて ホウキを 作れないように してやろうと・・・。
つづく