わたしね、おかあちゃんと おてて をつなぐことが だいすき。
だって、おかあちゃん の おてて は ふわふわ だもん。
つめたい おてて も たちまち あたたかくなるよ。
しごと が はじまって
いそがしい。いそがしい。
おかあちゃん は いってる。
ようちえん まで おかあちゃんと いっしょに あるくの
だい だい だいすき
だけど、おかあちゃん の あし はやい から
いそげ いそげ と くつ も いっているみたい。
だいすきな おかあちゃんの おてて
ギュッとつなぐ おてて は
かたい いし みたい
…そうだ
ひらめいた!
おかあちゃんの うれしいこと をすれば、おてて も ふわふわ に もどるかもしれない。
するしかないでしょ。
「おてて さくせん」
よーし、なにをしようかな...
おかあちゃん あした おたのしみにね。
「ゆうちゃーん。おきなさーい!」
おかあちゃん の こえ が する。
「おきてるよー。」
せのび して、ひきだしの なかをごそごそ。
ありました。クレヨン の はこ と まっしろ な かみ。
おかあちゃんの かお をかいちゃおう。
はこ を ひっくりかえし、どどーん とクレヨンのとうじょう。
「あら、もう あさごはん よ。おかたづけして!」
おかあちゃん も とうじょうしちゃった。
「はーい、ごめんなさーい。」
じゃあさ、これはどう。
ひとりで、はをみがいて かおを あらえるんだから。
「わあ、きがえた ばかりなのに。 おようふく びしょびしょ !きがえなきゃ。ばんざいして。」
「ごめんなさーい。」
これは とくべつ だよ。
ぞうきんで ろうか をぴかぴか にしてあげる。
タンス から タオル をもってくる。
そして、おみず をジャーってつけるでしょ。
これで、ふくの。
すごい?
「わあ、ろうか みず だらけ。ゆうちゃん!」
「ごめんなさい…」
おかあちゃん の かお こわくなっちゃった。
「たいへん ちこく しちゃう。さあ、ゆうちゃん。くつをはいて。」
おかあちゃん が げんかんで さけぶ。
「まってよー」
いそいで、くつをはいた。
そして、おかあちゃんと て をつなぐ。
きょうの おかあちゃんの おてて
おおきな いし の てぶくろみたい。
ぎゅーっと おかあちゃんのおてて をひっぱってみた。
「どうしたの?」
おかあちゃんの め が おおきくなったから
ほっぺ を ぷーっとふくらませた。
「だってさ、おかあちゃんの おてて。 いし みたい。 いやなんだもん。ギュッとしなくても、おてて つなげるよー。」
おかあちゃん、びっくりの かお 。
そして、おてて をひろげて、おかあちゃん が だっこして くれた。
「ゆうちゃん、ごめんね。いたかったよね。」
「うん。ほら、みてごらん。わたしも おてて つなげるでしょ。」
おかあちゃん の てをキュッ としたら
おかあちゃんが、め をつぶって うなづいた。
「 おかあちゃんが キュッとしなくても、て をつなげるようになったんだね。びっくりしちゃった。ゆうちゃんの おてて とーっても あたたかいわ。 」
「うん。」
おかあちゃん の おてて ふわふわ になった。
「ゆうちゃん、 ありがとう。うれしかった。」
おかあちゃん が わらった。
「いいですよ!!」
おおきな こえ だしちゃった。
でもさ、でもさ
さくせん だいせいこう!!