探さないで下さい 26 | AKI 's ミステリー           

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これまでに書きためた作品を紹介します。

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『探さないで下さい』 第1話、 前話(25)

 

 

 昨日、登夢くんがオイラの部屋を訪ねて来た時のことを思い出す。

 

帰宅したのに母親が不在で、部屋に入れない。

 

そう言って、オイラの元にやって来た。

 

ランドセルを部屋の前に置いてきた理由は、自分の帰宅を母親に知らせる為だとも。

 

オイラとしては、ランドセルだけが残され息子の姿がない方が、母親は心配すると思うのだが。

 

ともかく、登夢くんは両親がなぜ自宅に戻らないのかを知らない。

 

両親は登夢くんに内緒で、自ら姿を消したのか?

 

―― 事故?

 

いや、それは考えにくい。

 

父親か母親のどちらかが事故に遭ったって、無事な方が連絡をするはずだ。

 

ママ友でもいい、岸田の婆さんにでもいい、誰かに登夢くんを頼むに違いない。

 

では・・・。

 

「しまった」

 

 コンビニ弁当を広げたオイラは、カップみそ汁の買い忘れに気付いた。

 

食べるつもりで湯を沸かしているのに。

 

食事に汁物は絶対のオイラが、なぜ忘れた?

 

ん・・・ そうだ、シジミかアサリが食べたかったのに、棚に並んでいなかったからだ。

 

そんでもって、在庫から選ぼうとしていた時に、友里からの電話。

 

そうだ、そうだ、登夢くんの両親に件があり忘れてしまっていたが、隣室の山下も依然所在不明のまま。

 

友里は隣室に変化はないかと、確認の電話をかけてきたんだった。

 

「山下が帰って来たら、連絡するよ」 そう言って通話を切り、みそ汁をカゴに入れずレジに並んじまった。

 

ぐすん。

 

ショックが大きい。

 

仕方ない、湧いた湯に醤油でも混ぜ、弁当の厚焼き卵を椀種にすりゃ気分だけでも料亭になるだろう。

 

―― ならないか?

 

 

 

 

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