探さないで下さい 17 | AKI 's ミステリー           

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これまでに書きためた作品を紹介します。

ブログネタを利用したお遊びstory〈梅と愉快な仲間たち〉も毎日更新♪

『探さないで下さい』 第1話、 前話(16)

 

 

「お楽しみ?」

 

 友里は首を傾げ、瞬きをした。

 

「いい感じに見えたんで」

 

「バッカね、こんなオッサンといい感じなわけないでしょ」

 

「そうっすか?

俺の目にはいい感じっすけど」

 

 鮎川は澄みきった黒目を輝かせ、オイラと友里の関係を興味深そうに観察している。

 

「別れた亭主、わかった?」

 

 友里の愛想のない答えに、オイラは眉を下げ含み笑いをした。

 

いがみ合って別れたわけではないが、心構えなく再会すると複雑なものだ。

 

お互いにどんな顔で向き合えばいいのかわからない。

 

 事情を知っているのだろう、鮎川は気まずそうに首筋を掻いている。

 

「字体違いの 〈探さないで下さい〉 と書かれた手紙を、アンタも持っているのね?」

 

「そうだよ」

 

「入るよ」

 

 そう言うと、友里はオイラの部屋に突進した。

 

当然、鮎川も。

 

脱いで揃える余裕もない2人の靴は、子猫の額サイズの玄関に散乱している。

 

って・・・ 友里の奴、オイラの仕事靴の上でハイヒールを脱ぎやがった。

 

整理整頓の行き届かない部屋でも、礼儀をわきまえて欲しいものだ。

 

オイラは行儀の悪い奴は嫌いだぞ。

 

 

 

『探さないで下さい』→ 次話(18)