探さないで下さい 16 | AKI 's ミステリー           

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これまでに書きためた作品を紹介します。

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『探さないで下さい』 第1話、 前話(15)

 

 

「で、アンタ、この手紙を知っているの?」

 

 友里はオイラの顔に便箋を突き付けた。

 

飾りっ気のない事務用の便箋に、たったひと言 〈探さないで下さい〉 と記された手紙。

 

オイラの部屋に届けられたのと・・・。

 

「うん。

オイラも受け取った。

でもさ、少し違う」

 

「違うなら、横から口を挟まないでよ!」

 

「いやいや、文句は同じなんだ。

〈探さないで下さい〉」

 

「じゃ、どこが違うの?」

 

 友里は怪訝そうにオイラを見た。

 

「字体だよ。

この部屋の物はゴシック体で、オイラの部屋に届いたのは明朝体」

 

 初めのうちは同じだと思っていたが、よく見ると字体の違いに気付いた。

 

そして、もうひとつ。

 

「なるほどね。

すると、アンタは誰から受け取ったの?

山下?」

 

「知らない。

送り主の署名がないんだ、知る由もない」

 

「何よー、知る由もないだなんて、偉そうに」

 

 友里の頬が膨らんだ。

 

「本当の事だもんよー」

 

「言い方ってものがあるでしょ」

 

「お楽しみのところ悪いですが、先進めてもらえませんか」

 

 オイラと友里の会話に、鮎川が割り込んだ。

 

鮎川はオイラたちがじゃれ合っているように感じたらしく、低姿勢で遠慮している。

 

 

 

 

 

『探さないで下さい』→ 次話(17)