探さないで下さい 15 | AKI 's ミステリー           

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『探さないで下さい』 第1話、 前話(14)

 

 

「〈探さないで下さい〉 ―― 何よ、これ」

 

「あっ!」

 

 友里が手にした便箋を見たオイラは、驚きの声を発した。

 

静かに盗み見するつもりだったが、不注意にも声が出てしまった。

 

 オイラの声に、友里と男は眉間に皺を寄せ振り向いた。

 

 こ、こ、怖い。

 

鋭い目つきに変貌した若い男に、オイラは委縮した。

 

友里を呼んだ時の彼は、装飾系のイマドキ青年だったのに、今は縄張りに侵入した敵を威嚇するアユだ。

 

アユ?

 

オイラは自分の発想にツッコミを入れた。

 

「おい、オッサン」

 

 オイラは唾を飲み、後退りすると、

 

「鮎川くん、この人は気にしなくていいわ」

 

 友里は右手を額に当て、口の端を歪めた。

 

オイラの存在を面倒に感じているのが手に取るようにわかる。

 

 それにしても、この若い男の名前が鮎川とは、調子のいい話だ。

 

オイラの比喩もあながち間違っていなかった。

 

はっはっは。

 

「でも」

 

 鮎川は一層、目を険しめた。

 

「ただの隣人よ」

 

「は、はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

『探さないで下さい』→ 次話(16)