昨日、ここに掲載させていただいた作品は、産経新聞の朝晴れエッセーでは落選し、掲載されなかったのですが、僕は自信をもってリメイク(産経は500字、これは2,400字)して長く書きました。
ぜひみんなに読んでほしいと思う話は、1度や2度落ちてもあきらめず、コアになるエピソードは変えずにリメイクします。500字では無理があったのでしょう。
それと、このような地方文学賞で審査員講評が明記されるのは珍しいのですが、どういうポイントで選んでいるのか、読むと僕たちはとても参考になります。
「ズルズル」は果たしてエッセイの文体として、会話文に挿入してもいいのか、産経では拒否されましたが、ここでは評価され感激しています。これが僕の挑戦でした。
審査員講評
福田稔(宮崎エッセイストクラブ会長:宮崎公立大学人文学部教授)
「熱々のカレーうどん」
父と娘の方言での会話が進むにつれて、謎解きのように娘の心が明かされていく。その展開に引き込まれてしまい、熱々ほどではないが、読者の心を温めてくれる作品。
「ズルズル」という擬音語も効果的に使われている。
穂高:これだけTVなどでも氾濫している大阪弁も、やっぱり方言なんだと教えられた講評です。やはり擬音語を評価して頂きました。ありがとうございます。
審査員講評
門田祥子(歌人:俵万智賞短歌賞受賞)
優秀賞「熱々のカレーうどん」は、カレーうどんを食べながらの父と娘の会話を中心に、温かく描かれていました。飾り気のない親子の会話と、うどんを啜る音の間合いがとてもリアルで、ドラマのワンシーンを見ているようです。心配する側だった自分が娘に心配されていることに気付き、寂しいけれど嬉しい父親の気持ちがじんわりと伝わるお話でした。
穂高:音の間合いがリアル。そこを狙ったのです。ありがとうございます。
審査員講評
高山文彦 (作家:大宅壮一ノンフィクション賞受賞)
優秀賞の「熱々のカレーうどん」は、妻を亡くした高齢の作者と会社勤めの娘の二人暮らしを描きます。普段はあまりしゃべらない娘さんと作者との短いやり取りから、娘さんのやさしい思いやりに気付いていく、ユーモアある筆致に感心いたしました。
穂高:ユーモアある筆致。これが最高に嬉しい評価です。僕は少し前からユーモアを意識的に書いています。ありがとうございます。