暫く経ち体も冷えてきた頃合、遠くから鈴の音が聴こえだす。
人の声、下界の一端が持ち込まれる。陽光射したり翳ったり。
構わず描き続けるが、何事か楽しげな話し声は途切れない。
漸く至りて、驚嘆の声。こんな所に人が居た、と。見返すと、
老嬢二人、その足腰の丈夫さに、こちらもなかなか吃驚す。
遺跡を巡り、幼き時に此処で遊んだなどと賑やかに和やかに。
攫われるなよ、という台詞を捨てて、また鈴の音と葉の影に消ゆ。
針の進むも知らぬ間に、日は傾きて薄闇そこかしこ湧きいずる。
帳面を閉じ立ち上がり、再訪を誓いその母胎の様な岩洞を後にす。
道の分かれでふと思い立ち、夕陽射す尾根への坂へ歩をすすめる。
まだつづく♪
ほとんど動作無く描いてたから、ちっちゃい鳥にもなめられて、
頭上のすぐ近くまでやってきて、かりかり岩か虫かを食べてた。
あの岩の孔は風食によるものって書いてある頁を見つけたけど、
なんかそういう作用もあったのかも。指で削れる程の脆い岩だし。
と 数時間じっと岩ばかりみていると思えてきた。人為もあろうし。