30年ほど前の話なので、明確ではないけれど,
確か彼女は、就職が決まった後、自転車に乗っている時に
軽い接触事故を起こしたと記憶している。
しかし、ぶつけた箇所である右手の痛みはなかなか治まらず…
結局、リウマチを発症していたことが判明したのだった。
アニメーターの仕事は、利き腕の右手を酷使することになるだろう。
今のように、よく効く注射もなかった時代だ。
センシティブな彼女は、就職を諦めた。
このことをきっかけに、彼女はそれまでよりも引きこもりがちになった。
途中、医療事務の資格を取ってみたり、介護ヘルパーの講座に参加とか、ちょっとした習い事に行ったり、芸能人のイベントに行っていたこともあったけど…
主な外出は「通院がメイン」という生活が、それから長く続くようになった。
時々、自分に出かけるノルマを課して、電車で出かけてみたりしていたこともあったけど、
修行のようなその行為は、苦痛と不安をもたらすことはあっても、
その練習を機に行動範囲が広がって、引きこもりを脱するようなことにはつながらなかった。
そのうち、大叔母様からの遺産で 引っ越しと家の建て替えをして…
お兄さんも亡くなり(このあたりの時系列はうろ覚え)、
ペットは犬と猫がいた時期もあったり、その二頭も亡くなってまた別の犬を飼い始めたり…
毒祖母も亡くなり、その後、お父さんが先に体調を崩して亡くなり、その3か月後にお母さんが亡くなった。↑この期間の説明は、すごく端折ってます
とにかく彼女は、1年前の3月から、一軒家に犬だけと暮らす生活になったのだった。