富田康裕編著「とことん知っ得!JR利用術」(B6判、全198ページ、自由国民社2013年11月22日新装追補版発行、定価1200円+税)
大回り乗車や乗車券の分割購入と言った、得するJRの使い方を記したものなのだが、そういう話は前半だけ。途中からは、単なる鉄道雑学集となってしまっている。自由国民社と言えば、「種村直樹の新汽車旅相談室」を出しているところなのだが、「相談室」のような誠実さが感じられない。
山下ルミコ「懐かしい沿線写真で訪ねる阪急神戸線」(B5判、全80ページ、彩流社2013年5月31日発行、定価1500円+税)
古地図と写真による沿線駅紹介と、いつもの構成。企画自体は良いと思うのだが、ややマンネリ気味の感がある。もう一工夫、取り上げる路線毎の工夫が欲しい。
湯沢威「鉄道の誕生 イギリスから世界へ」(B6判、全300ページ、創元社2014年1月20日発行、定価2200円+税)
蒸気機関車がイギリスで開発され、鉄道システムとして世界へ広まっていく話なのだが、本書の前半は、イギリスにおいて、蒸気鉄道が求められる背景である、産業革命や蒸気機関の発達、生産・需要の増加と言った話が占めている。鉄道マニアからすれば、あまり関係のないような話であるが、輸送機関としての鉄道を考える上では欠かせない視点であり、渋い鉄道書と言える。
本書は、そう言った輸送の観点の他に、蒸気機関から鉄道システム成立までに関わった多数の人物を描いており、蒸気機関人物史としても読める作品となっている。