山之内秀一郎「東北・上越新幹線」(A5判、全178ページ、JTBキャンブックス2002年12月1日発行、定価1700円+税)
国鉄からJRに掛けての運営で大きな功績を残した著者による、東北・上越新幹線の解説。東北・上越新幹線だけに限らず、前身の東北本線や、東海道新幹線からの技術の流れなども記されており、幅広い記述となっている。新幹線の本、ということでは、類書との差別化はあまり出来ていないが、著者が国鉄の現場で働いていたことに関する記述があって面白い。那須塩原駅の名称をめぐっては、辞表を出すことになったとか、東海道新幹線から年月が経っているのにスピードアップ出来なかったのは、組合問題によるものとか。
無明舎出版編「とうほく廃線紀行」(A5判、全128ページ、無明舎出版1999年12月15日発行、定価1600円+税)
東北6県の廃線跡巡りを紹介したもの。1廃線に対して、それぞれ4ページが費やされていて、製本の構成上、見開き2ページカラー、同モノクロ、との作りで、当時と今の写真、路線地図が収録されている。地方出版ということで、専用線などのマイナーな路線も取り上げられており、資料性は高い。所有者に許可を得て取材、というものは無く、一般の人でも、本書を参考に探訪できる場所となっている。
池田邦彦「鉄道史の分岐点」(A5判、全238ページ、イカロス出版のりもの選書2005年11月25日発行、定価1619円+税)
日本の鉄道史でターニングポイントとなった10の事例を取り上げて、その意味合いを記したもの。普通の鉄道史では、章立てて取り上げられないような内容も多く、鉄道史を知るには簡便な書と言える。文章や、扱っているエピソードなどは、読み物としては良く書けているが、その分厳密さが犠牲になってしまっている感じ。あと、参考文献が無いのが致命傷。