どうも、おはこんには、どうも僕です。

本日は、みなさんもご存知のキャラクター・吹き替えを担当した声優さんについて。

 

その方は、「藤原啓治」さんです。✨

ヒーローから悪役までこなす非常に幅広い演技とイケメンな声、

何よりも息遣いが素敵です。そんな、藤原啓治さんを

今宵は、追悼の意味も含めてレビューしたいと思います。

藤原啓治という声 ― 静かで、熱くて、深い“本物の主役級ボイス”

声優という存在を意識するきっかけになった人は誰か?
そう問われた時、真っ先に名前が浮かぶ人がいる。

それが――
藤原啓治さんです。

「渋い」「低い」「大人の男の声」と言われがちな藤原さんですが、
本質はそれだけではありません。

静かな演技の中に宿る“人間臭さ”、
ぶっきらぼうな言葉の裏にある“優しさ”、
そして怒鳴らずとも伝わってくる“圧”。

彼は間違いなく、「声だけで感情を支配できる役者」でした。

⚫️藤原啓治さんの経歴

藤原啓治さんは 1964年10月5日生まれ、東京都出身
もともとは舞台俳優を志しており、声優専門の養成所ではなく、演劇の現場で表現力を磨いた人物です。

その後、声優事務所「AIR AGENCY(エアーエージェンシー)」を設立
俳優としてだけでなく、後進の育成にも尽力しました。

特徴的なのはその技術より先に“生身の人間を感じさせる演技”

藤原啓治さんは 2020年4月12日、癌のため55歳で逝去
あまりに早すぎる別れでしたが、彼の声は今も無数の作品の中で生き続けています。

⚫️代表的な出演作品

藤原さんのキャリアを語る上で外せない代表作たち。

・『クレヨンしんちゃん』
 野原ひろし

・『鋼の錬金術師』
 マース・ヒューズ中佐

・『交響詩篇エウレカセブン』
 ホランド・ノヴァク

・『青の祓魔師』
 藤本獅郎

・『アイアンマン』(吹替)
 トニー・スターク

藤原さんの凄さは「主役じゃなくても主役になってしまう存在感」。
ほんの数セリフでも、空気を変える力を持っていました。

👻『新暗行御史』とは?

ここからは、カルト的な人気を誇るダークファンタジー
**『新暗行御史(しんアンギョオンシ)』**の話へ。

原作は韓国の漫画家・尹仁完(ユン・インワン/ストーリー)と梁慶一(ヤン・ギョンイル/作画)による作品で、
『サンデーGX』などで連載された異色のファンタジー漫画です。

韓国の民間伝承や歴史観をベースに、
“滅びた王国”と“暗行御史”という設定を組み合わせた作品です。

⚫️『新暗行御史』あらすじ

舞台は、すでに滅んだ王朝の世界。

かつて存在した巨大な帝国「柔世国」は崩壊し、
世界には暴君、怪物、歪んだ支配者たちが蔓延していた。

そんな世界を旅するのが、
元暗行御史である主人公
朴文秀(パク・ムンス)

彼は王の命を受け、
各地に潜む“偽りの王”や腐敗した支配者たちを裁く存在。

しかし彼自身もまた、
国家の崩壊と仲間たちの死を背負った、
“壊れかけた男”でもありました。

物語は勧善懲悪ではなく、
**「正義とは何か」「国家とは何か」**を問い続ける重厚な内容が魅力です。

⚫️OVA『新暗行御史』

2004年に制作されたOVA版
**『新暗行御史』**は、原作の世界観を約1時間ほどに圧縮した映像作品。

特徴は以下の通り:

・極彩色に近い独特な色彩設計
・スピード感のある殺陣アクション
・非常にテンポの早いストーリー構成

原作未読だとやや難解ではあるものの、
雰囲気・世界観・ビジュアルの完成度は非常に高い作品として評価されています。

📕漫画版『新暗行御史』

漫画版は全17巻構成。

OVAでは描ききれなかった
・国家崩壊の背景
・文秀の過去
・サン(春香)の存在

などが、非常に丁寧に描かれています。

特に印象的なのは、この作品が一貫して持ち続けている
**「正義は必ずしも救いにならない」**というテーマ。

読めば読むほど、
単なるファンタジーではない「寓話」として心に残ります。

⚫️藤原啓治さんと『新暗行御史』

OVA版『新暗行御史』において、
藤原啓治さんは朴文秀の日本語吹替を担当

この配役は非常に完成度が高く、

・疲れた男の声
・諦めと覚悟が混ざった語り口
・怒りを押し殺す低音

これらがキャラクターと完璧に一致していました。

「派手ではない」
「でも圧倒的に心に残る」

それが藤原啓治×文秀という組み合わせの凄さでした。

⚫️野原ひろし役を引き継いだ時のエピソード

藤原啓治さんの代表キャラクターといえば、
誰もが思い浮かべるのが
『クレヨンしんちゃん』の 野原ひろし です。

 

2016年、藤原啓治さんは病気療養のため休養に入ります。
ひろし役は一時的に後任へと引き継がれることになりました。

そして復帰後、再びひろし役を担当。

しかし2020年、藤原さんの逝去により
正式に2代目へとバトンが渡されます。

現在の野原ひろし役を務めているのは、
 

森川智之 さん。

 

森川さんはインタビューで、

「啓治さんの声を消すつもりはない」
「“引き継ぐ”というより、“受け取った”という感覚」

と語っています。

野原ひろしという“父親像”を完成させた人

野原ひろしというキャラクターは、
もともとギャグ中心の存在でした。

しかし藤原啓治さんが演じたことで、

・情けなさ
・弱さ
・強さ
・優しさ

それらが混ざり合った、
“本物の父親”のような存在へと進化していきました。

泣かせに来る父親ではない。
でも、気づけば心に残っている。

それが
藤原啓治さんという役者が作り上げた 野原ひろしでした。

 

その役を引き継いだ森川智之さんは、相当な重圧だったと思います。

「血反吐を吐く思いだった」とご本人も語っています。

その中であまりにも有名なエピソードが

 

藤原啓治さんから森川智之さんへ渡された『手紙』です。

内容は、細かくわかりませんが

 

|「森川しかいないから頼むぞ」

 

と書かれていたそうです。

この言葉に全て集約されていると言っても過言ではない素敵な手紙だと思いました。

 

今でも森川智之さんは、社長室のデスクにこの手紙をしまっているそうです。

おわりに ― 声は作品の魂になる

藤原啓治さんの声は、
単なる“音”ではありません。

それは
キャラクターの呼吸であり、
世界そのものの空気であり、
物語の“体温”でした。

『新暗行御史』という重く、暗く、美しい作品の中で
藤原啓治さんの声は、今も静かに生き続けています。

忘れることはない。
それが、敬意という名の記憶です。

 

今日は、ここまで。

 

それではまた、別のお話で。