突然3人の前に現れた少女。
しかし、上地にしか見えていないようで…?
「2人とも、本当に見えてないのっ!?;」
「見えるって…何がですか?」
2人にすがりつきながら、何度も聞く。
「まじで見えねぇの…?;」
「だからぁー…ワンピース着た女の子なんて見えてないってばッ!!」
「……。」
「ちょっとつる兄ッ!!;」
「ぁ…やべっ;」
「見えてるじゃんッ!!」
見えるかとは何度も聞いたが、ワンピース姿の女の子だなんて上地は一言も言っていない。
「なんで嘘つくのーっ!!」
「だって…幽霊とかだったら嫌じゃんっ;」
「な…そんな理由ぅーッ!?」
「ちょっと2人とも落ち着いて…ッ;」
『貴様ら…いつまでわしを無視している?』
今まで黙っていた少女が口を開いた。
いつの間にか自分の事を無視されていたのに、少々お怒りのご様子…。
『わしを無視するとはいい度胸じゃなぁ…?』
「わしって…君、いくつ?;」
見た目は10代くらいの女の子が、自分のことをわしと呼ぶのに違和感を感じた。
つるのは少女の年齢を聞いてみた。
『そんなもん覚えておらんっ。』
「そんなもんって…;」
『100はとっくに超えておるわ。』
「はぁ!?んなわけないっしょ…;」
「どこから来たの?お父さんとお母さんは?」
『わしに親はおらんっ。』
「あのねー、君…;」
何を聞いても、返って来る答えは変なものばかりで…。
3人は困り果てていた。
「じゃぁ…どこに住んでるの?」
『ここじゃ。』
「ここって…外?;」
「え…この年にしてホームレス???」
3人が変な誤解をし始めた頃…
『わしは桜の木の精じゃ。生まれてからずっとここにおる。』
「…はぁ!?;」
少女はこの桜の木の精…この木が具現化した姿だというのだ。
人間の姿を借りているのだと…。
『わしの姿が見える人間なんぞ、珍しい…お前ら何者じゃ?』
「……。」
さすがの3人も思考停止…。
その場に固まってしまった。
「ところでお前さん達…いつまでもここにおっていいのか?」
「へ?」
いつの間にかいなくなっていたおじいさんが、戻って来ていた。
3人にそう聞くと、おじいさんは彼等が来た方向を指差した。
「こらぁーッ!!どこ行ったぁーッ!!!」
「やば…早く戻ろうっ。」
「何も言わずに来ちゃいましたからねぇ…;」
「ほら、行くぞ雄輔っ。」
「あ…うん。」
3人は元来た道を足早に戻る。
上地は少女のことが気になって、途中何度か振り返った。
少女は黙ってこちらを見つめていた…。
-つづく-