サクラ咲クトキ…《第4話》 | 雷♪のまとまりない日記♪

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車の所まで戻ると、3人はスタッフに怒られた。


「勝手に動かないで下さいよーっ;」

「ごめんなさい…;」


機材を車から降ろし、さっそく撮影の準備に取り掛かる。




「つる兄…あの子が言ってた事、ほんとかな?」


上地はずっと、あの少女の事が気になっていた。


「さぁな…ほら、仕事仕事っ。」


頭のどこかで気にしながらも、3人は撮影に入った。










「本日の撮影は終了でーすっ!!」


初日の撮影を終えて、宿泊先の建物へ向かった。

ホテル代わりの公民館。


公民館の近くには、あの桜の木がある広場があった。

すぐ近くを通ったが、少女の姿は見えなかった。




夜…出演者やスタッフらが全員が集って宴会が始まる。

皆で騒いで、お酒もすすむ。


「オイラちょっと…」


上地がトイレへと席を立った。

部屋を出ると廊下は静まり返っていて、少し肌寒い。


「ふぅ……ん?」


部屋に戻っている途中、窓の外をふと見ると…あの木が目に入った。


やっぱり気になって…上地は1人外に出た。

桜の木のすぐ側まで来て、上を見上げる。




「……。」

『何の用だ?人間。』

「ぉわっ!?;」


気配もなく、突然自分の背後から現れた少女に上地は驚いた。


(び…びっくりしたぁーっ;)

『何の用じゃと聞いている。』

「いや…別に・・・・」

『用が無いのなら帰れ。…二度と近寄るな。』

「…え?」


初めて会った時の印象とは違い、少女は冷たく言い放った。



『人間なんて…大嫌いだ・・・・ッ』


「…どうしてそんな事言うの?」


『……。』



少女は黙ったまま、桜の木の裏側へ回る。

そして悲しそうに…木の幹を触った。



『人間は…平気で自然を傷つける。…とくによそ者は。』


「どういうこと?」


よく分からないまま、上地も少女と同じように気の裏側へ回ってみた。



「!!」






そこにあったのは…ラクガキ。

桜の木の幹に、直接掘り込まれていた。

正面から見ただけでは分からなかったが、ラクガキはかなりの数だった。


「酷い…誰がこんな・・・・っ」


『…お前のようなよそ者が、記念だ思い出だと言って残していった。』


「……。」


どうやらここに来た、心無い観光客達の仕業らしい。



『人間は皆同じだ…だから、わしは人間なんて…ッ』



「…ごめんな?」



ラクガキされた木の幹を、上地は優しく撫でながら…申し訳なさそうに言った。


「痛かったよな?…ごめん。」



『…何故お前が謝る?』



「だって…同じ人間だから。」



自分がやった事ではないのに…上地は辛そうに謝っていた。



『…変な人間だな、お前は。』



人間が嫌いだと言った少女。

上地を警戒して、冷たい態度を取っていた少女が…初めて笑った。

少し、困ったような笑顔で…。





-つづく-