珍事 ~オートロックは怖い!?~ | ああいえBAR 旧館・支那竹銀座より

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「支那竹銀座」はラーメンズ小林賢太郎さんに名付けてもらいました。
負け犬というよりバカ犬。飼い主には従順素直。
悪そうなヤツや知らない人には、吠えたり噛み付いたり。
エサくれたら恩は忘れません。面白いエンタメを求めて日々彷徨っています。

仕事が休みの日、Uberを頼んだ。

 

言い訳をすると、

ここのところリウマチの調子がよくなく

手指の力が入らなくて

極力、料理の手間を省きたい…というワケで。

 

女の子の配達員だった。

高校でソフトボールやってます!と言われても

信じてしまいそうな感じの爽やかな女の子。

 

ちなみに置き配で頼んでいたのだが

せっかちな私がドアを早くに開けてしまい

顔を合わせてしまったのである。

 

いざ、食事を…と思った所で

インターホンがなる。

さっきの女の子だった。

 

ドアが開かないという。

そんなアホな…。

…と思いつつ、事実確認のため

マンション入り口へと降りて行った。

 

たまたま、ほんとたまたま

顔を見てしまっていたから

あんな爽やか女子が困ってるのは

気の毒だな…と。

 

おじさんだったらスルーしてたかも…(笑)

 

我が家はオートロックがあるのだが

そこで困り果てた配達員が立っていた。

鍵の自動開閉は反応するものの

確かにドアが押しても引いても全然あかない。

 

え?こんなことある?

 

私はこのまま一日休みで家に居ればいいけど

配達員がこのままだと出られない。

今日の稼ぎができないことになる。

 

一応、非常口や脱出できそうなところを

探したが、下手に?セキュリティーがしっかりしてる。

出口が他にない。

我が家から脱出させるには、特殊な訓練が

必要な高さだし…

 

まずは…不動産屋に連絡だよな?

連絡をするが、いつも通りちょいポンコツな

電話対応が出て担当者に代わったが

「どうしましょうかね…」とか言うてる。

電話を押さえて誰かに相談している様子。

「…は、教えちゃだめですよね?」

聞こえてるよ。

何か特殊な最終手段の開け方はあるようだが

住人には教えられないらしい。

折り返しの連絡を、ということで

一端電話を切るが、配達員と二人きり…

 

親しくさせてもらっている近くのお店のオーナーに

数分だけ駆けつけてもらい

外からの様子を見てもらったが

やはり開かない。男手でも開かない。

 

え?警察?に相談するべき?などと

考えている間に

配達員の子が

「お食事の所なのにすいません。

ここで待っていますので、お部屋に戻られても…」

と気を遣ってくれる。

休みの日だから私は構わないんだけど…

「お休みの日だからこそ、申し訳ありません!」

いやいや…あなたも被害者だし…

 

しばし二人で廊下で待つ。

 

結局30分、40分したら

担当者が駆けつけるという話になった。

 

…えっと、配達のこの子は?

下手したら一時間もこのまま?

 

一端、私は防寒着を取りに帰ったりして

「あの子、カイロとかいるかな?」とか悩んだあと

現場に戻ると他の人の声がする。

 

どうやら他の住人さんも出前を頼んだようで

開かないし、閉じこめられている人いるし

届けに来た別の配達の人も戸惑っているしで

プチパニック。

 

出前の品に関しては、

一階の廊下の窓からギリ通せて(半開きの窓)

二番手の配達員は無事帰れたのだが…

 

そこで、神だったのは

この1階の住人さんだった。

「うちから出ます?」

 

部屋が汚いのに目をつぶってくれるなら(笑)

うちからなんとか出れると思う、という

ナイスなヘルプ!

 

そうですねそうですね、

あそこからこうしたらなんとか出れますしね

そうさせてもらいましょ?ね!

と、同じマンションに住みながら

一度も喋ったことのなかった女性と協力体制。

いやー、いい人だわ。

 

なかなか到着しない不動産屋さんを

待ちつつ、屋外から元気に手を振る配達員を

見送った…という顛末。

 

あと、その時間に外出をしようとした住人に

事情を説明して、お部屋に戻らせたり。

 

暫くして不動産屋さんらが駆け付け

修理して無事戻ったらしいけど

何が原因だったかは教えてくれなかった。

 

…部屋に戻って

すっかり冷めた食事を食べながら

クマの耳のついた部屋着に

風呂入ったあとのボサボサ頭で

ノーメイクだった自分に気づく…

 

こんなおばさんに

いろいろと話しかけられた

住人の皆さん、怖かったろうに…(笑)

 

しかし不動産屋さんからは

金一封ぐらい欲しいもんだわにやり

 

あと、秘密の倉庫があることを知った。

大家さんの息子の隠し倉庫っぽい…