針結び 結目の構造 外掛け結び | クラゲ日誌(沖釣り備忘録)

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強度実験の結果、針結びの方法により強度に違いが出ることはっきりした。

 

同時に、同じ結び方でも針飛びの強度には相当バラつきがあることも判明した。

しかし、針結びを強くする(あるいは弱くする)要因はつかめていない。

 

やみくもに実験を繰り返しても意味がないので、あたりをつけて一つずつ潰していくことにする。

 

まず、各結び方の構造について整理していこう。

 

直径2mmのウレタンチューブで外掛け結びのモデルを作ってみた。

 

 

外掛け結びの特徴は、端糸の留めが1か所しかなく、本線と端糸のクロスはここにしかないことだ。

 

本線は巻き目に入り、本線方向は軸に沿っている。

 

巻き目は、軸に巻き付き摩擦により結び目全体の位置を固定している。本線のずれ(抜け出し)も防止している。

 

外掛け結びは、増し締めする際に、端糸・本線を反対方向に強く引いても、以下の理由で、巻き目には大きな力が伝わらないように思う。

 

・ラインの留めを針先側1か所の結び目が負担していること

・両側からラインを引いても、弾力で締め込みが少し戻ること(1か所の結び目では戻りを止めきれない)

 

強度実験の観察では

 

(本線を緩やかに引っ張っていくと)

 

端糸が巻き目に巻き込まれていき

本線が少しずつ抜け出してくる巻き目が締め込み方向に回転しながら叩き側にずれていく

巻き目が叩きに食い込んでいく

本線と端糸のクロス部分のラインが破断する

 

ラインの巻き込みや抜け出し、巻き目の回転などは、締め込みが十分でないからともいえるが、これらの動きは全て摩擦を伴って徐々に進むので、負荷を分散させて断線を遅らせているとも考えられる。

 

強い力で引くと、本線が端糸を締め込み破断させてすぐに終了かと思っていたが、外掛け結びが意外なしぶとさ(結束強度48%)をもつのは、こうした理由からだと考えている。