SUPER☆GiRLS 4期メンバーお披露目から2ヶ月。
新体制になって1ヶ月という事で、ここまでのスパガ第4章の雑感を。

尚、今回の記事はただの老害トークなので、健全なファンの方にはスルーして頂けると幸いである。

では、まず新メンバーについて。



・金澤有希

 

 


オーディション参加時点で話題にもなり、加入が有力視されていたが、無事合格。
1期生が全員卒業してしまった現状、彼女の経験は若いメンバーの助けになるだろう。

アイドルには“25歳定年説”というものがあるが、問題は年齢ではなく、個人のモチベーション次第ではないだろうか。
活動を通して、成長が出来るという実感や確信があるのなら、アイドルを続けるべきだし、逆に成長が出来ないのなら、25歳未満でも卒業するべきである。

GEM時代はリーダーという事もあって、ピリピリした雰囲気があったが、スパガになってからは気負いが消えて、良い意味で丸くなった。
おそらく、これが彼女にとって最後のアイドル活動になるはず…悔いのない様に楽しんで欲しい。





・石丸千賀
 

 


「ロシアへの留学経験もある元バレエダンサー」という、異色の経歴の持ち主。
アイドル経験はないみたいだが、長年バレエをやっていただけあって、表現者として洗練されている印象を受ける。

 

 

 


キャラクターはかなり作り込まれているし、Twitter実況などレギュラー番組にコミットする意識も高い。
ネタTシャツに代表される様に、見られる事よりも、“見せる”事に自覚的な人なのだろう。

 

 

 


楽屋ネタを投稿する利他的なメンタリティーも持ち合わせており、早くもグループに欠かせない人材になりつつある。

 

 

 

 

 

 


・坂林佳奈
 

 


この人を一言で言い表すなら、「やべーやつ」だ。

独特な世界観を持っており、ツイート1つを取ってみても個性に溢れてる。

 

 

 


また、先輩に物怖じしない強心臓と、意外性のあるリアクションも魅力的。

 

 

 


後藤彩以降、空席となっていたバラエティー担当キャラとしても期待が掛かる。
本人的には歌手志望らしいが、未だ未知数な部分も多く、そのポテンシャルは計り知れない。





・井上真由子

 

 


その可愛らしい声質と端正な顔立ちから、「声優っぽい」というのが第一印象。(豊崎愛生っぽい

アイドル顔というよりは、モデル顔であり、ファッションに興味がある事からも、田中美麗を想起させるキャラクターである。
 

 

 

 


『コングラCHUレーション!!!!』ではセンターに抜擢されたものの、現状は特別人気があるわけでもなく、YouTubeの再生回数を競う企画でも、終始最下位に位置していた。


ほんわかした雰囲気とは裏腹に、本人は負けず嫌いを公言しているが、そういった内面性が伝わるまでは、なかなか苦労する事だろう。
 

かつての田中美麗がそうであった様に。





・門林有羽

 

 


「オーディションを受ける為に大学を辞めた」というエピソード以外、特に印象がない…。

個性も何も分からないのだが、彼女自身からの発信がない以上、どうしようもなく…。

「YUUは何しにスパガへ?」という感じである。





・樋口なづな
 

 

 

インスタでお菓子の写真を上げてる、お菓子の人だ。

私はそれを見て、「お菓子だな~」と思うのである。

…あとは歌が得意らしい。





・松本愛花
 

 

 

第4章のビッグサプライズと言えるのが彼女だろう。

彼女のブログからは、溢れんばかりの豊かな感情と、その感情を素直に綴る無邪気さが伝わってくる。

 

 

 


そういった子供だけが持ち得るイノセンスこそが、彼女の美点だ。

それはクールになり過ぎる嫌いがあるスパガというグループにとって、間違いなく異質な才能であり、グループの気質すらも変えてしまう可能性を秘めている。

彼女がグループを変えるのか?
それとも、グループが彼女を変えてしまうのか?

願わくば、今ある熱量とエモさを備えたまま、成長して欲しい。

大人の論理に支配されず、突き抜ける事が出来れば、グループに新しい風を吹かせる事が出来るだろう。







ここからは総評を。

 

 

・4期に感じる“こなれ感”

 

お披露目から2ヶ月間、4期メンバーを見てきて感じるのは、“こなれ感”である。

良く言えば「余裕がある」と言えるし、悪く言えば「緩いor温い」とも言えるだろう。

SNSの使い方などを見ても、デビュー仕立ての新人と言うよりは、デビューから半年経ったアイドルの使いこなし方をしてる。

だが、それもそのはずで、彼女達はオーディション期間中からSNSアカウントを運用しているのだ。



オーディション参加者という立場とはいえ、半ばアイドルとして発信し、ファンとも交流していたわけで、いざメンバーに選ばれたからと言って、今更SNSアカウントに新鮮さを感じる事もないのだろう。

また、オーディション期間中は、腐る程「初めまして」と自己紹介を繰り返してきたはずである。
合格したからと言って、また1から自己紹介する気持ちには、なかなかなれない部分もあったのではないだろうか。

その結果として、4期生には新人ならではの初々しさや積極性が損なわれてしまった。

これは半年間も公開オーディションを続けた事の代償に他ならない。



3期生と比較して考えてみても、3期の時は自分用のSNSアカウントが与えられる事に、喜びや興奮があった様に思う。

例えば、ほぼ毎日更新されていた3期生のブログからは、当時のメンバーの高いモチベーションが見て取れる。

スト生時代は共同ブログしか発信する場所がなく、個人のSNSアカウントを持つ事に対する、憧れや飢餓感もあったのかもしれない。

兎にも角にも、3期生は3期生なりに、自己アピールに腐心していた事が伺えるし、それが結果的にグループに新鮮さや勢いを与えていたのではないだろうか。

当時は“初陣”と称して、3期生がリリイベにフル稼働していたが、彼女達の貢献なくしては、『ラブサマ!!!』の成功はなかったはずである。

こうして、3期生と比較して考えると、やはり4期生には物足りなさを感じてしまうのだが…。



ただ、一応補足しておくと、3期の初陣ツアーが必ずしも正しかったとは思わない。

本体の活動と並行して、毎週末は3期だけでリリイベをこなし、デビューから1ヵ月後にはワンマンライブを決行、ツアー中は人気投票企画までやる始末。

いくらスト生という経験があるとはいえ、デビューして間もない中学生中心のメンバーに対して、あまりにも負荷を掛け過ぎた。

結果的に3期から2人の卒業生を出した事を考えても、第4章でも初陣をやれとは思わない。

そういう意味では、余裕を持って活動した方が良い様な気もする。



だが、それでもだ。

それでも、新メンバーはグループに新鮮さや勢いを与えるのが役目ではないのか?
その為に、君達は選ばれたのではないのか?

長期オーディションの最大の問題は、オーディションに合格する事がゴールになってしまう事である。

半年間も不安な日々を過ごしていれば、合格に向けて全てのリソースを使わざるを得ないし、ある種の達成感を感じてしまうのも仕方ない。

合格というゴールを迎えた事で、燃え尽きてしまう人間もいるだろう。

しかし、本当のゴールはここではない、むしろここはスタートだ。

しかも、ただのスタートでもない、第4章はマイナスからのスタートと言ってもいい。

それを自覚し、危機感をもって活動してるメンバーは、果たしているのだろうか?

 

 

 

 

 

スパガの現在地

 
スパガの現在を計る上で、興味深い数字がある。

それは4期メンバーのTwitterフォロワー数。

現時点で4期メンのフォロワー数は、大体3100~4800人。(金澤は除く)

実姉にHKT48の松本日向がいる松本愛花が4800人とズバ抜けているが、彼女を除けば、3100~3600人。

更にツイプロを使って1ヶ月前のフォロワー数を調べると、2700~4400人になる。



それでは次に、『ハロプロウギャー2』というブログが、過去のメンバーのフォロワー数の推移を載せているので、これと比較してみよう。

2期生は
1ヶ月で、5100~6900人
2ヶ月で、5600~7700人

3期生は
1ヶ月で、4800~6500人
2ヶ月で、5700~8100人

4期生は
1ヶ月で、2700~4400人
2ヶ月で、3100~4800人



ざっくり見積もっても、2~3期と4期で、半分近く数字が落ちてきている。

勿論、2~3期の時はデビュー直後にメディア露出や対バンフェスへの出演もあったので、単純比較は出来ないのだが、1つの指標として考えてもらいたい。

1ヶ月目より2ヶ月目の方が差が大きい事を考えるに、おそらくアーリーアダプターとなるコアなファンよりも、彼らに続くライト層や一般層がかなり離れてしまった様に思われる。

それだけ、アイドル界におけるスパガのプレゼンスが弱まっているという事だ。



そうなってしまった理由は、やはり人気メンバーの卒業が大きいのだろうが、ライト層や一般層向けのコンテンツを用意出来ていない影響もあると思う。

相変わらず、MVはShort ver.しかYouTubeに出さないし、ブログを更新するメンバーも減ってしまった。

初心者は一体何を見れば良いのだろう?

SHOWROOMやラジオがあるとはいえ、視聴する時間や地域が限定されるものは敷居が高い。

そもそも、SHOWROOMやラジオを視聴しないと理解出来ないグループになってしまうのも問題である。
そんなマニアにしか情報が共有されないグループに、未来があるのだろうか?

スパガの太客重視の経営戦略の問題は、前々から指摘してきた事だが、もしかしたら、ここで顕在化してしまったのかもしれない。

 

 

 

 

 

・スパガはどこへ向かうべきなのか?


第4章のスパガを見て、第1章のイメージを重ねた人もいるだろう。

 

 

 

 

確かに「素人が集まって出来た」という意味では、第1章に近いのかもしれない。

だが、第1章とは確実に違う面がある…それは環境だ。



第1章の時は、avexやスポンサー企業からのバックアップを受け、何よりアイドル戦国時代というブームがあった。

そういった恵まれた環境があればこそ、スパガは勢いに乗って武道館まで駆け抜ける事が出来たはずだ。

翻って、第4章はどうだろう?

今のところ、特に変わった広告展開があるわけでもなく、アイドル戦国時代も終わってしまった。

今までの敵は他のアイドルグループだったが、これからの敵は社会の無関心になっていくはずである。

第4章は、そういった厳しい時代を生きねばならない。

これまでの様に、良い曲を出して、良いパフォーマンスをすれば、勝手に注目される様な時代は終わり、今後はどんなターゲットに、どんなメッセージを送るのか、計算しないと届かない時代になるだろう。

では、スパガはどこに向けて、何を表現するべきなのか?

その為には、まず現在のアイドル界を見つめ直す必要がある。





昨年のアイドル界と言えば、何と言っても、中堅アイドルの解散が最大のトピックだった。

解散の理由は数あれど、基本的にはマーケットの飽和が大きい。

どのグループも成長曲線を描けなくなった事で、見切りをつけたという事だろう。

「これ以上はファンの絶対数は増えない」というのは、アイドル界に突きつけられた課題である。



そして、もう1つのトピックとして、地下アイドルのメンバーが自殺した事件を挙げたい。

この事件を発端に、地下アイドルの劣悪な労働環境が明らかになった。

そういったアイドルの立場の弱さという問題は、何も地下に限った事ではなく、NGTの暴行事件を見れば、メジャーシーンにも通じる問題だと言えるだろう。





この2つの問題をどうすれば解決出来るのか?

これは個人的な意見に過ぎないが、「女性層に目を向ける」というのが1つの解決策になるんじゃないかと思う。

マーケットが飽和しているなら、これまで開拓してこなかった層にアプローチするのも1つの手だ。

アイドルブームの終息で、マーケットのパイが小さくなっていくにも関わらず、男性層に固執するのは、むしろリスクがある様に思えてならない。

その辺を見越しているのかどうかは分からないが、中堅アイドルの中には女性限定公演などを行うグループもある。

 

 

 

 

しかし、スパガに関しては、女性限定公演をした記憶がない。

公演をする程の女性ファンがいないのかもしれないが、であるなら、余計に女性層の開拓に力を入れるべきだろう。



その為には、クリエイティブにも女性目線を取り入れる事が必要がある。

これまでの恋愛や応援というモチーフに拘らずに、例えば、女性同士の友情であったり、男性をディスる曲があっても面白いのではないだろうか。

そういったフェミニズム的な視点であったり、自身をエンパワーメントする様な楽曲を歌えば、自然とアイドル自身の意識も変わるだろうし、そういったところから、アイドルの立場も是正されていくんじゃないかと思う。





こういう意識が高い事を言うと、「スパガは王道アイドルなんだから、そんな事をやる必要はない」と言われるかもしれない。

しかし、本当にそうなのだろうか?

スパガは恋愛と応援の歌ばかり歌ってきたわけだが、それは「女の子は恋愛にしか興味ない」という偏見と、「アイドルは真面目であるべき」という男性視点の女性の理想像が反映されている様に思う。

そして、そういったイメージを押し付ける事が、アイドルを生き辛くさせているのではないだろうか。



更に言うならば、これはスパガにしか歌えないテーマだとも思う。

秋元康がそんな意識を持ってるとは思えないし、ももクロやでんぱ組の様なオルタナティブなアイドルが歌っても説得力に欠けるだろう。

8年間も王道アイドルを引き受け続けたグループだからこそ、新しいアイドルのあり方を提示する事に意味があるし、アイドル界全体にも影響を与えられるはずだ。

軒並み中堅アイドルが解散していく中で、「どうしてスパガは解散しなかったの?」と、時折疑問に感じる事がある。

もしかしたら、王道アイドルのイメージを更新する事が、スパガに与えられた使命なのかもしれない。