ちっぽけな夢を見る

夜の分の夢を昼に、たったの30分

猫と一緒にみる

あの日以来、このちっぽけで大きな命に

腕を傷つけさせることはしていない


なおりかけたかさぶたも

もう「後になるからかくな」って笑って怒ってくれる人はいない

だから、自分ではがさないように

毎日毎日、そっと指でなぞる



生きている証を探すために、

生きている証拠を捨てていた自分にさよならをいおう


あの人にばかりかまっていちゃ行けないと

いつかきっといえる日がくるから


諦めることのほうがずっと簡単

裏切られないように、信じないようにする方が簡単

だけどそれじゃ どこへもいけない



もっと世界をみよう もっと何かを探そう

誰かがいつでも呼んでくれていることを

聞こえないふりをして しゃがみこむのももうやめよう


汚れのない聖域を、

たった一人自分の足下に寝かせておいちゃいけない



私はそれを広げる力を持っているのだと

先生にいわれた

誰かを救う言葉と、心をもっているからと

そういわれた


嬉しいながらも、否定した


「そんな立派なものじゃありません」


私は

自分をしんじることもやめて

傷つくことを避け続けていた


これ以上傷ついたら 壊れてしまうと怖がって

夜に鍵をかけて、 目を閉じた

夢の中であなたにあうのも怖かった


眠ることが出来なくなって、

一生縁のないと思っていた薬と今、一緒に歩いている

頼っているんじゃなくて、寄り添ってそばにいる



こんなに弱いものに自分を仕立て上げても

残るのは寂しさだけだった

愛してくださいという言葉におびえて

好きだとばかりいった

好きだという言葉を受け止めずにいた


信じることが出来ないのは私

私自身を可愛がることをやめてしまったのも私

愛することと傷つけることを、同じだと思っていた

だけど違うって見つけた



汚れのない聖域を広げられるように

この口は何のためについているのか

私は忘れてしまっていたの




考える時間が出来て 言葉を紡ぐ時間が出来て

またうたいだす この命のうた


魔法をかけよう そっと自分を抱きしめて

もう悪い夢は終わりだよと 信じて眠れば

あの人に会うのも 誰に会うのも もう怖がらなくていいかもしれない


次にこの手が触れる人が 誰であっても

もうほほえめれるように 甘い夢をちゃんと夜にみよう

昼間の夢は悲しいものがおおいから

自分を信じて 次は夜にちゃんと眠ろう




もうこの腕を切り裂くようなまねは二度としない


今日、今、約束するから



ねこになってさまよった

路地裏で、汚れたプラスチックのケースで

雨樋ととおって流れた雨水をちょっとだけのんだ


だきしめてくれるうでがほしかった


かなしいねこのゆめ




目を覚ますと、横に温かい命があった

この子がさまよいねこじゃなくてよかったと

抱きしめたら、くるると鳴いた

大丈夫、ここにいるよ

そういわれた気がした




夢の中でさまよっていたねこはわたし

どこにいくでもなく、雨の中だきしめてくれる腕を探していた


ねこになって 誰もいない路地裏で

きっとわたしは 何かを探していたんだ

ぬれてほそくなった尻尾を 雨樋にまきつけたら

目が覚めて




横に温かい命が眠っていた

この子がここにいてよかった


どこかでさまようねこも

いつかだれかに拾われますように



私の隣で眠る猫は

今も、夢の中で尻尾をゆらしている

下からみるとちょっとだけ笑っていて

つられて笑った 朝の日差し



あなたに贈ろう
百の千の万の色付いた言葉を
わたしの心のうたを

それは悲しくて 切なくて
痛くて 涙がこぼれるような歌だけど


あなたに届けよう
無数の星空のような言葉を
わたしの思いのうたを

それは優しくて 嬉しくて
痛くて 涙がこぼれるような歌だから


あなたをすきだという言葉よりも
アイしているという言葉よりも
誰も使ったことのない言葉で
あなたに贈ろう
あなたに届けよう



そのための一歩を踏んだ
メールにつづった思いは
百色の言葉
あなたからかえってきたのは
たった一言 千色の言葉

とめた時を戻そう
あの夏の日 とまってしまった時が
カチリ、音をたてて
そっと刻んだ
確かに刻んだ 一歩を


その先はまだ見えない
もう言い訳をしても 強がりをいっても
何をしても取り消せない
あなたに贈る言葉を 今日もわたしはつむぐ
あなたの心に響く音を 今日もわたしは刻む

心の臓がきざむ命の音

あなたを思う命の音

たとえ受け取ってもらえずに
踏みにじられてもいいと思った百色の言葉
だけど あのころのように
帰ってきたたった一言の思い

あなたがわたしの時を刻んだ
そしてわたしは わたしの時を刻もう


さよならもげんきですかも
はじめましてもありがとうもごめんねも
意味をなさないような
何万もの色づいた言葉を
あなたに贈ろう

わたしのうたをあなたにおくろう
あなたにおくるうた
あなたにおくることば


そして 時が戻ったら
もう一度 一色おれんじ色に微笑めたなら
わたしはそれで幸せだから
あなたもそれで幸せだから

そして もういちどはじめから
やりなおせばいい

時をもどして
もう一度 はじめから何もかもやりなおそうね



あなたにおくるうた
わたしがすすんだ一歩

あの人との約束の時から
わたしは一歩だけ 歩けたよ


たどりついた先に 
あなたが微笑む夕陽があればいい
わたしが微笑む蒲公英があればいい


あなたにおくるうた
わたしのおもいのうた
もう一度重ねて もう一度うたって
そしてもう一度 手を繋ごうね