ねこになってさまよった

路地裏で、汚れたプラスチックのケースで

雨樋ととおって流れた雨水をちょっとだけのんだ


だきしめてくれるうでがほしかった


かなしいねこのゆめ




目を覚ますと、横に温かい命があった

この子がさまよいねこじゃなくてよかったと

抱きしめたら、くるると鳴いた

大丈夫、ここにいるよ

そういわれた気がした




夢の中でさまよっていたねこはわたし

どこにいくでもなく、雨の中だきしめてくれる腕を探していた


ねこになって 誰もいない路地裏で

きっとわたしは 何かを探していたんだ

ぬれてほそくなった尻尾を 雨樋にまきつけたら

目が覚めて




横に温かい命が眠っていた

この子がここにいてよかった


どこかでさまようねこも

いつかだれかに拾われますように



私の隣で眠る猫は

今も、夢の中で尻尾をゆらしている

下からみるとちょっとだけ笑っていて

つられて笑った 朝の日差し