前回の続きで、ITMIGの多施設共同研究を参考に、今度はより稀な縦隔病変の頻度についてみていこう。
前回の最後の表で「その他」に含まれていた、非小細胞肺癌より頻度の低い疾患をSupplement 4に基づいて記載する。数が多いのでnが2以上のものをまず記載する。
ちなみに、ここまでの疾患頻度は多い順に、
胸腺腫 (n=734, 22.2%)
良性嚢胞 (n=661, 20.0%)
リンパ腫 (n=532, 16.1%)
胸腺癌 (n=186, 5.6%)
転移 (n=168, 5.1%)
神経原性腫瘍 (n=136, 4.1%)
胚細胞腫瘍 (n=134, 4.1%)
良性甲状腺病変 (n=120, 3.6%)
胸腺過形成 (n=91, 2.8%)
小細胞癌 (n=67, 2.0%)
非小細胞癌 (n=55, 1.7%)
肉腫 (n=51, 1.5%)
非小細胞肺癌 (n=41, 1.2%)
だ。
非小細胞肺癌より頻度が低い、2例以上みられた疾患
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正常胸腺 |
36 (1.1 %) |
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類表皮嚢胞 |
6 (0.2 %) |
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肉芽腫性疾患 |
23 (0.7 %) |
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線維性縦隔炎 |
6 (0.2 %) |
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甲状腺癌 |
22 (0.7 %) |
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血腫 |
5 (0.2 %) |
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食道癌 |
21 (0.6 %) |
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神経内分泌 大細胞癌 (LCNEC) |
5 (0.2 %) |
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血管腫 |
17 (0.5 %) |
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孤立性線維性 腫瘍 (SFT) |
5 (0.2 %) |
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リンパ節腫大/ 良性リンパ節 |
17 (0.5 %) |
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平滑筋腫 |
4 (0.1 %) |
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異所性 副甲状腺腺腫 |
15 (0.5 %) |
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膿瘍 |
3 (0.1 %) |
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Castleman病 |
15 (0.5 %) |
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非定型カルチ ノイド腫瘍 |
3 (0.1 %) |
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リンパ管腫 |
10 (0.3 %) |
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脊索腫 |
3 (0.1 %) |
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傍神経節腫 |
10 (0.3 %) |
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デスモイド |
3 (0.1 %) |
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脂肪腫 |
9 (0.3 %) |
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食道GIST |
3 (0.1 %) |
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食道平滑筋腫 |
8 (0.2 %) |
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炎症性筋線維芽 細胞性腫瘍 |
3 (0.1 %) |
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他の胸腺腫瘍 |
8 (0.2 %) |
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神経内分泌癌 (NEC) |
3 (0.1 %) |
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悪性中皮腫 |
7 (0.2 %) |
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腺様嚢胞癌 |
2 (0.1 %) |
Supplement 4を基に作成
その他、もとのSupplement 4の表の最後にOther (n=47) としてまとめられているのだが、なぜかn>1なのに表に載せてもらえなかった疾患として
肺癌 (n=5)、癌 (n=3)、縦隔癌 (n=3)、
IgG4関連疾患 (n=2)、PEComa (n=2)、
リンパ管/リンパ静脈奇形 (n=2)
があった。食道裂孔ヘルニアもたぶん2例あるようだった。
そしてOtherに含まれるn=1の疾患として、カルチノイド腫瘍、類上皮型血管内皮腫、線維腫、包虫嚢胞、脂肪性腫瘤、脊髄髄膜瘤、Merkel細胞癌、副甲状腺癌、気管癌、左腕頭静脈の仮性瘤、左心耳の巨大血栓化動脈瘤、冠動脈バイパスグラフトの仮性動脈瘤、冠動脈瘤、心膜洞、良性胸腺病変、神経内分泌の特徴を有する起源不明の低分化癌、synovial histiocytosis、間葉腫、仮性動脈瘤、右腕頭静脈血管腫、pericardial collagenization、aggressive mass、食道壁肥厚、腹腔内脂肪の食道裂孔ヘルニア、食道腫瘤、壊死性腫瘤、リンパ囊腫、おそらく血栓化したグラフトの動脈瘤、心海綿状リンパ管腫、食道憩室、sinus histiocytosis、脂肪壊死、心血管肉腫、アミロイドーマ、静脈奇形、特発性後腹膜線維症、髄外造血、胸腔内髄膜瘤があった。
Supplement 4より引用