最初の一枚 | 収集日和

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庶民派()コレクターの収集品紹介

収集系の趣味をされている方ならわかると思うのですが、収集を始める、または本格的にのめり込むきっかけになった思い出の品ってありますよね。今回は自分にとってのきっかけの一枚を紹介します。

昔からポケモンやら貝殻やらカードゲームやらガシャポンやら何かしら集めるのが好きで、親には度々これ以上増やすなと怒られつつも大人になっても収集癖は直らず。
コインは早い段階から興味だけはありましたが自分から買うには至らず、ギザ十や親の外国旅行のおつり、親戚の倉から出てきた割れた寛永通宝なんかで満足していました。
五~六年ほど前のある時、手持ちのコインが見飽きてしまい何でも良いから買い足したいと思い立ち、ヤフオクで種類が色々入ってそうな雑銭の詰め合わせを購入しました。確か1.5キロくらいで5000円程でした。

素人目にもわかるようなパチものの円銀、明治の竜の銅貨、五輪マークの入った百円玉、戦中戦後の錫やアルミ貨、香港の花形のコイン、文字も読めないイスラム圏のコインなど一枚一枚眺めて楽しんでいましたが、その中になにやら目を引く金色のコインが。カナダと国名があり、女性の横顔と葉っぱのようなものが描かれています。

…それを何気なく手に持った瞬間、指先に強烈な違和感がありました。重い。こんなに小さいのに明らかに重い。
最初は何だか重くて変わったコインだな…と思った程度でしたが、暫く眺めていてふと気がつきました。

…この色でこんな重たいのって金では?

大慌てでヤフオクで カナダ 金貨 で検索すると、検索結果に手元にあるコインと同じものが大量に表示されました。それがこちらです。













メイプルリーフ金貨 1/4オンス
1986 エリザベス二世

今ではお馴染みの地金金貨ですが、自分にとっては実物を見るのも触るのも初体験な、本物の金貨でした。

この時、単に金額的に得したとかそんな生易しい感覚ではなく、あたかも埋蔵金を自分の手で掘り当てたかのような非常に高揚した気分だったのを今でも覚えています。

自分が小型金貨大好きなのも、裸コインを持って手触りや重さを楽しむのが好きなのも、怪しい雑多な詰め合わせ出品につい手を出してしまうのも、だいたいこいつが元凶になります。

ビギナーズラックも良いところなこの出来事のお蔭で本格的にコインについて調べ始め、地金金貨を始め目についた手頃な品を端から買い漁り始め…そこからずるずると沼にのめり込み今に至ります。

他人が見たらただの傷だらけの地金コインですが、自分にとっては金貨の重みと、コイン収集の楽しさを最初に味あわせてくれた大事な一枚です。

ここまで言っておいてなんですが、このコインは大事にしよう、とは思っていません。末永く触れるコレクションの筆頭として楽しませて貰おうと思います。