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夫は今の会社から解雇予告を受けています。
夫の会社からの通知書で知りました。昨年秋、仕事用の鞄に入っていたのを見つけたのです。
よって、夫、今も絶賛就活中。
もうあと数ヶ月内に転職先を見つけないと夫は失職します。
エージェントから久しぶりに連絡あって
案件紹介されてさー
まあ面接受けるだけなら
受けてやってもいいかなと思ってる
ってことでさ、
らぶかのｉＰａｄ貸して
履歴書アップデートするからさ
解雇になるとは妻には言わない見栄っ張りな夫です。ま、隠したい気持ちは理解できなくもない。
ちなみに私は知らないふりをしています。
同業種の案件をエージェントからいくつか紹介してもらっているものの、それらは夫が以前から下に見ていた会社。
あそこは島流しに遭った奴らが
集まるところだ
とか、
あんな小規模なところは
キャリアがピークアウトしてからかな
なんて偉そうに言ってたくせに、
なんと素直に面接受けている模様。
どこの会社の面接を受けるのか、どこまで進んでるのかなんて、私には教えてくれませんが、
どうやら書類選考の時点で落とされていたり、面接に進めたとしても最終的には落とされてしまっているようでした。
この業界は狭いですからね。
どこの会社と面接しても、そこには、かつての同僚や上司だった人たちがいますから、面接官は夫の情報を彼らから取ろうとするでしょう。
夫は頭の回転は早いし、上司に媚びずに真面目に働く人だと思いますが、周りとぶつかってばかりいれば、推薦しづらいですよね。
それに、男性こそ縄張り＆仲良しこよしの世界（昨今のジェンダーフリーに反する発言お許しを）。一匹狼の夫は、仕事はそこそこできても、仲間に入れてもらえないこともあるでしょう。
あ、なぜ面接の進捗状況まで私が把握できているのかって？
夫がエージェントとやり取りしているＷＥＢメールが、機種変前の古いスマホにも受信されているので筒抜けなんです。
機種変前のスマホの存在なんてもう夫の記憶から消えているようで、パスワードを知っている私はこれを利用して、こっそり情報を得ている、というわけです。
夫の今のスマホのパスワードは残念ながら分かりません。。。
さて、今日から夫はアジア出張。１週間です。
海外出張嫌いな夫。数日前からイヤイヤモードになります。不安なのか落ち着きもなくなってきます。
私の前で露骨に不安がるわけではありませんが、ずっと憂鬱そうな顔でため息ばかりついています。
ということで、夫は行きのフライトはいつも週末で手配し、私を連れ添って空港まで向かうのが、交際直後からの恒例行事となっていました。
今回も、出発日が近づいたころ、
夫「今週の土曜日、、、出発なんだけど、、、らぶか、、、空港、、、くる？」
夫婦の関係を「ニュートラル」にしていると超上から目線で言ってしまっている手前、今回も一緒についてきてとはさすがに言いづらそう。
でも目がちょっとウルウルしていて「きてくれるよね」って顔に書いてありました。
別れたいと言った割には、相変わらず都合よく妻を使う夫です。
こういう甘え上手で子供っぽいところに私は騙されてしまったんですよね。
自分という存在を求められることで、心を満たしていたんだなと今は思います。
いい加減もう断ろうかとも思いましたが、表向き離婚したくない妻を装っていますし、近々始めようとしている離婚協議を踏まえ、腹黒らぶかはビジネス付き添いに徹することにしました。
昔は、私とギリギリまで一緒にいたいのかな、かわいいな、なんて勘違いしてましたけど、
今はなんとなく分かるんです。
慣れたテリトリー外のところへ行くのが不安だったのだと思います。海外出張なんてルーティン狂いまくりですし、初めて会う人が多いですから。
そんな状態なので、出国手続きした後も、心が落ち着かない夫は私へＬＩＮＥメッセージを送りまくります。
普段、業務連絡みたいなメッセージしか送ってこないくせに、こういう時だけ、どうでもいい報告をひたすらしてくるんですよね。
以下夫婦のＬＩＮＥのやり取りです。
※夫のイメージに近いひとりであるオリラジ中田さんにご出演いただきました。顔というより、話す口調、ものの考え方が似てるんです、、、
これより搭乗します
おとなしくお留守番しててくださいね
いってらっしゃい アジアのマフィアにさらわれないように
シンガポール航空との共同運航なら、まあ悪くはないのかな
ところで、カウンターの受付はＡＮＡのお姉さんでした
今入国手続き待ちです この時間なのになぜかめっちゃ混んでる
やっと入国手続きを終え、荷物をピックアップしたら、今度はタクシー待ちの長蛇の列・・・
夫の一方的な実況中継は帰国するまでひたすら続きます。
不安で落ちつかない気持ちを、ひたすら妻にぶつけてるんですよね。
これを受け止める役どころって、もう不倫相手のジャイ子氏なんじゃないのと思うのですが、なぜかまだまだ私のお役目のようで、夫の脳回路はなかなか興味深いです。
ジャイ子氏ともLINEでやり取りしているのだとはもちろん思うのですが、
こんな実況中継を２人宛に同時に連打できるほど器用な人ではないので、こんなどーでもいい内容は私だけにたぶん送っているのでは。
夫が搭乗エリアに消えた後、私はすぐに空港を離れました。
以前なら、夫の飛行機が離陸するまで空港で見届けていましたが、今はそんな気持ちにはもうなれません。
夫のいないこれからの１週間は、さまざまな予定を入れ込みました。
まずは実家に帰り、両親に離婚する意思を伝える予定。
両親は、この１年私たち夫婦に起こったことを全く知らないのです。
昨年秋には夫婦で海外旅行にも行ってお土産も渡しているので、円満だと思っているはず。たぶん驚くでしょう。
気が重いタスクですが、いつかは話さなければいけないことです。
あとは、法律事務所との面談も入れていました。
私の代わりに夫と離婚の話し合いをしてもらう弁護士を探すためです。
忙しい１週間になりそうだけど、夫の不穏な行動をスマホで調べる必要もないし、それによって感情を揺さぶられることもありません。
平穏な自由な時間を過ごせそう。
早くひとりになりたいな。
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お口直しシリーズ
松任谷由美
〜 守ってあげたい 〜
生きづらそうにしている
夫のこと守ってあげたい
と思っていたけど
私はその器ではなかったみたいです
