中国の対日「アヘン戦争」は始まっていた! | 方丈随想録

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中国がアメリカに「21世紀版アヘン戦争」を仕掛けている。これはアメリカ下院のレポートで表明されている。特定の外国にドラッグを蔓延させて、その国の社会を腐敗させ国力の衰退を図る戦略を実行している。

中国側も『超限戦』というタイトルの論文を出して、通常の戦争に代わる戦争を提唱しており、邦訳も出ているようだ。情報の窃取とか世論工作などを指すというが、まさかドラッグの輸出まで含むというのは驚きだった。

違法ドラッグは中国国内で国有企業の楽品メーカーと私企業の薬品メーカーが共に生産している。中国は国内での販売は厳禁にしているが、輸出については補助金を出したり、あるいは税の還付まで行って輸出を奨励している。注文は中国語のネットで受け付け、メキシコのカルテルに販売される。輸出には中国国内の犯罪組織も関わっているという。

コロナがほぼ終息して平常の経済活動に復帰する中で、中国経済はピンチに陥っている。不動産部門が崩壊状態で、それに関連して地方政府や金融機関まで「火の車」の状態となっている。外資の撤退も加速し、失業者が増大している。国家の財政状態も良くない。金がなければどこからか調達すべきだが、輸出が振るわなくなっている。さてどうするか。

『超限戦』を口にして憚らない国だから、アメリカ以外にも違法ドラッグを売って儲けようと考えるのは当然だ。中国の近くに相当裕福な国がある。中国政府は関わっていないことにすればいいだけのことだ。と考えて、日本にドラッグを密輸している可能性はあるだろうか。

というわけで、ネットで検索すると以下のデータを取得できました。

先ず、アメリカCBPのデータでは2023年におけるフェンタニール、メタンフェタミン、コカイン、マリファナなど合わせた押収総量はほぼ550kgだった。では日本ではどうなのか、ということだが、同じ2023年6月に貨物船で運ばれたコンテナに忍ばせて違法ドラッグが密輸された事件があった。この事件では中国人男女4人が逮捕されているが、押収量は何と700kgになるという。全米の税関や国境で1年間に押収された量が550kgに対して、日本の場合は一度に700kgもあったわけだ。中国人については、この件以外にも逮捕者がいるのだ。

日本で押収された700kgのドラッグの内容につての情報を入手できなかったのだが、中国発だとすればフェンタニールとかメタンフェタミンである可能性が高いし、700kgともなれば工場からの直送物だろう。とすれば、中国政府のゴーサインが出ていたわけだ。日本の解説記事では「中国政府は違法薬物に対して無関心だ」と書いてあるが、事実は「無関心を装って裏で煽ったり便宜を図っている」のだ。中国共産党と中国政府ははっきりと日本社会を潰しにかかっているのだ。事実はそうなのだが、外交的に波風を立てたくない政府は個別の犯罪行為で落着させているのだ。税関や公安関係者の努力と日本は島国であるという環境、そして教育レベルの高さによってドラッグの蔓延を幸運にも阻止できているのが現状だろう。

日中韓首脳会談では、中国は相変わらず「処理水」問題を取り上げたが、日本側は「違法ドラッグ」問題を取り上げるべきだった。御用聞き外交はいい加減にしてもらいたいものだ。