小池百合子の「学歴詐称」問題再燃 | 方丈随想録

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小池百合子の国政復帰もあるのかと思われた政治情勢が、「文芸春秋」の記事で一変しそうである。

小池百合子は自身の学歴をカイロ大学卒、しかも「首席」で、と宣伝していた。数年前にも「学歴詐称」ではと問題になっていたが、カイロ大学が小池の卒業を認めるような声明を出したとかで、疑惑は沈静化した。ところが、件のカイロ大学の声明がでっち上げだと内部告発があったのである。

小池がカイロ大学に籍を置いてた当時、ある女子学生と部屋を共用していたという。その元女子学生の証言では、小池は大学に通うことはほとんどなかった、そして卒業も出来ていない、ということだった。小池は自分がカイロ大学を卒業したという証拠に、記者会見で卒業証書らしいものを見せたが、あっという間にしまい込んだ。その卒業証書が真正なものであれば、コピーを記者に配ればよかったのだ。偽物だから、さっと見せて隠してしまったわけだ。ネットに出たカイロ大学の声明にしても、恐らく小池が政治力を使ったか、あるいはカイロ大学が「忖度」したのだろうと思っていたが、公式な声明とあってはこれ以上突っ込めないことになったわけで、疑念はくすぶり続けていたのだ。

一般的に、大学や高校を卒業すると、大学や高校の事務局は「卒業証明書」とか「成績証明書」というものを発行する。廃校になった場合でも、「卒業証明書」や「成績証明書」の発行についてはどこかの学校が責任をもって事務を引き継ぐはずだ。特に「卒業証明書」は進学や就職、あるいは国家試験受験の際の資格証明をする書類となり重要である。カイロ大学では「卒業証明書」を発行しないのだろうかとCopilotで調べると、カイロ大学でも同様のものを発行しているようなのだ。「卒業証書」を紛失する人もいるであろうから、当然の措置だろう。小池都知事もそれを取り寄せて示せばいいのだ。卒業していなければ、流石にカイロ大学も発行できない。

小池百合子の主張する「首席で卒業」というのも、端から胡散臭い。「首席」というのは成績がトップということなのだが、大学は受講する講座や演習は様々だ。したがって「首席」とは受講した講義と演習ですべて「優(A)」の評価を得たということであり、なおかつ卒業論文でも最優秀と言える評価を得た、ということだろう。であれば、成績証明書を取り寄せて発表すれば、世間の疑念はたちまち解消する。卒論にしても、そのコピーを見せればいい。カイロ大学のことだから、卒論はアラビア語か英語で書かれているはずだろう。イスラム圏の大学には中世の神学校マドラサを起源にするものがあるが、カイロ大学もそのタイプだったかと思う。名門大学に留学して「首席」だったと自慢する位だから、その証拠は示せるはずと考えるは自然だ。「首席」と目された卒業生は、卒業式(大学では学位授与式)で卒業生代表として挨拶をするか、あるいは総代として「学位記」(卒業証書)を学長から受け取る役を受け持つ。それがないとすれば、小池の主張は「眉唾もの」だろう。

でも、政治家の質と学歴はイコールではない。小池百合子が高卒であったとしても、政治家としての高く評価される活動をすればいいだけの話なのだ。ところが「学歴詐称」を突かれるのは、政治家として問題があり、権力を託する人物ではありえないと考えている人が少なくないということだろう。小生にしても小池という人物や活動の詳細は知らないが、何となくフランスのナポレオン3世に似ていると感じる。性格的に多動性(ADHD)で、「機を見るに敏」という「オポチュニスト」であり、誠意の乏しい自己中心的人物という印象なのだ。小池の人物評で、「詐欺師」と呼ばれたりする。でも世間を半世紀にわたって騙していたとなれば、これはこれでギネスものではないでしょうか。