概要

作業環境測定士とは職場における有害物質などの測定を行うことで、その環境改善を図ると同時に労働者の健康を守ることも主な職務としています。作業環境測定士には、デザイン・サンプリング、分析(解析を含む。)のすべてを行うことができる第1種作業環境測定士と、デザイン・サンプリング、簡易測定器による分析業務のみができる第2種作業環境測定士の2種類があります。

試験級:第1種/第2種

受験料:【第1種】10,600円~27,100円(選択1科目~選択5科目+共通4科目)【第2種】11,800円(共通4科目)

受験資格:労働衛生の実務経験がある者など(詳しくは、HPをご覧ください)

合格率:【第1種】61.4%【第2種】43.3% ※令和2年

試験日程:【第1種】8月【第2種】8月、2月

資格取得の流れ

国家資格である作業環境測定士になるためには、まず資格取得試験(国家試験)に合格する必要があります。さらに、合格者は法令で定められた登録講習を受講し、厚生労働大臣の指定を受けた「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」へ申請・登録することで、はじめてその資格を取得することができます。

概要

作業環境測定士登録講習は、「第2種講習 共通科目(個人サンプリング法に係るものを除く)」、「第2種講習(個人サンプリング法に係るものに限る)」、「第1種講習(選択科目)」があります。ただし、第1種測定士をめざす方も第2種講習(共通科目)を先に修了することとなっておりますので、必ず共通科目を先に修了させて下さい。今回、私は第2種作業環境測定士講習(共通科目)[個人サンプリング法に係るものを除く]を受講しました。

受講料:89,100円(税込み)+テキスト代5,500円(税込み)=94,600円

受講資格:作業環境測定士試験 合格者など

受講時間:3日間 全20時間

修了試験:学科試験と実技試験により実施します。

修了証:修了試験に合格した方に後日郵送で交付します。別途、登録申請料35,000円(非課税)

 

場所はJR「田町駅」より徒歩8分 三田NNホールでした。参加者は44名です。

カリキュラム

□学科/実習 20時間/3日間

<1日目> 

・オリエンテーション<9:20~9:30>
・労働衛生管理の実務<9:30~16:30>

<2日目> 

・デザインサンプリングの実務<9:30~17:30>

<3日目> 

・実習<9:00~15:00>

・実技試験<15:00~16:00>

・学科試験<16:00~17:00>

 

講習は座学から始まり、計算演習、実際の検知管やデジタル粉塵計を用いた実技演習を行い、試験最終日に、学科と実技の試験があります。1日目の午後から作業環境を評価するための分析、計算の演習があり、その過程で関数電卓を使います。CASIO fx-JP500を使った電卓の使い方と、幾何平均と幾何標準偏差の求め方を説明したブログの記事を書きましたので参考にして下さい。講義中は電卓の使い方は教えてくれませんので、これらが出来るようになってから登録講習に参加された方が良いと思います。この登録講習は他の講習とは違い、学科試験で出るポイントは教えてくれませんので、講習全体を通してしっかり聞き逃さないようにしましょう。実技試験が不安な方は「作業環境測定実技基礎講習Aコース」(27,000円)というものを事前に受講しておくと,修了試験のうち実技試験が免除されます。

修了試験について

修了試験は筆記試験と実技試験により実施され、それぞれ70点以上が合格となります。実技試験<15:00~16:00>は、相対濃度計、検知管、液体捕集の中から2つが出題されます。実習で学んだ手順を、説明しながら試験官に実演しますので、講義中の注意点を聞き逃さないようにしましょう。学科試験<16:00~17:00>は○×式の問題が50問と、計算問題が11問の合計61問です。〇×問題は、講習で受けた内容から全体に渡ってまんべんなく出題されましたので、終了後やその他の空き時間でその都度復習しておきましょう。計算問題は11問中8問が「幾何平均値」から「管理区分の決定」まで出題されました。他の3問は「石鹸膜流量計の校正の計算」「液体補集法の捕集率[E=1-(m2/m1)]」「相対濃度(cpm)を求める」計算です。いずれも計算式は問題文にありません。事前にしっかり式を覚えて試験に望みましょう。㊨作業環境測定士登録証 登録申請料35,000円 

感想

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。作業環境測定士とは、労働者の職場などの作業環境における有害物質を作業環境測定法に基づいて測定し、労働者の健康を守るための業務を行う国家資格者です。この資格があると、作業現場の有機物や放射線などの測定、分析を行うことができます。その結果をもとに作業環境測定士は事業所や工場、工事現場、病院などの働く人たちの作業現場などに対し、作業環境を改善するためのアドバイスを行います。作業環境測定士になるためには資格取得試験を受ける必要があります。またその試験に合格後、さらに登録講習を経たうえで厚生労働大臣の指定を受けた「安全衛生技術試験協会」へ登録し、はじめてその資格を取得することができます。認知度は低いですが、労働環境の場ではたくさんの作業環境測定士が日々測定、分析を行っています。あなたも作業環境測定を通じて環境改善をサポートする作業環境測定士を目指してみてはいかがでしょうか。